嘘から始まるキミとの距離 | ナノ


▽ お姫様なんか望んでない


パーティー当日、サラは透明マントに隠れてグリフィンドールのハーマイオニーの部屋にいた。


「ハーマイオニー、そのドレスとっても素敵ね、それにあなたとっても綺麗」


「ありがとう、サラもとっても綺麗よ、だから大人しく前を向いてて!」


サラは今完璧な格好になったハーマイオニーに髪型をセットしてもらっている。魔法じゃない、マグル界のやり方で。


「サラは綺麗なの。でも今日は誰よりも美しくなるのよ」


できたとハーマイオニーの言葉で鏡を見ると魔法じゃできないような繊細な編み込みがされて、とても大人っぽく見える髪型になっていた。


「ありがとう…ハーマイオニー」


「お礼はいいから、はやく行かないと!セドリックが待ってるわよ?」


「うん…、じゃあね、ハーマイオニー。会場で、あ、ロンもきっと可愛いって言ってくれるわよ」


真っ赤になるハーマイオニーを置いてサラは急いで待ち合わせの場所へ向かった。サラのドレスは瞳の色と同じ薄紫だが下にいくに連れて色がグラデーションになってるマーメイドドレスだ。身体のラインがよく出る、さらにがっつり背中があいているデザインのためとても情欲的だ。髪はハーマイオニーにやってもらい、化粧も薄くではなく汗で落ちないようにしっかりしてる。耳にはハリーから貰ったピアス。


このピアスをつけて他の男の人と踊るなんて思ってもいなかったと少し悲しくなったがハーマイオニーがここまでしてくれたのだ。どうせなら楽しもうとサラは割り切ることができた。



「ごめんなさい、待った?」

待ち合わせの場所につくとセドリックはすでにきていた。ドレスアップのせいか髪型が違うせいか彼もまたいつもよりかっこいい。



「いや、待ちきれなくてはやく来ちゃってたんだ。サラ、とっても綺麗だよ」

セドリックがサラの手の甲にキスを落とす、周りの人達はざわざわと騒いでいるのにサラはやはり冷静で何も感じなかった。


「じゃあ、行こうか」


差し出された手を取り会場へ向かう、紳士で王子様のようなセドリックに連れられて。

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