嘘から始まるキミとの距離 | ナノ


▽ 悲しくなんてないよ


「サラ!チョウが僕とパーティーへ行ってくれるって!」

ハリーはヤドリギの下へ来るなり嬉しそうに報告をする。


「そう、よかったわね…」

おめでとうとサラは目を細めてはにかんだ。


「夢みたいだよ!そういえばサラはパートナー決まってるのかい?決まってなかったらロンがまだいないんだ」


「残念だけど、私もう決まってるの」

小さく囁かれたサラの言葉に少し驚いたもののサラくらい綺麗だったら当たり前かとハリーは納得した。


「君のパートナーって?」

「セドリック・ディゴリーよ」


小さすぎて夜風に消えてしまいそうな声だったがハリーにはちゃんと聞こえていた。



「セドリック…?え、だって…彼は」


少し混乱するハリーにサラは優しく微笑みかける。


「この間誘われたの、断る理由もないからOKしたわ。私それまでセドリックの顔知らなかったの」


眈々と話すサラにハリーはもしかして自分のために?と少しだけ思いサラの瞳を真っ直ぐ見つめた。



「それは、サラの意思?それとも…僕の」

いい終わる前にサラがそっと立ち上がりローブを羽織った。


「もう戻りましょう、風もでてきたし、寒いわ」


はにかむサラに、これ以上何も聞けなかった。

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