はじめまして、どなた?



「ねぇ、フィン。パンドラって知ってる?」

シャルナークはパソコンに目を向けマウスをカチカチといじりながら、雑誌を呼んでるフィンクスに声を掛けた。


「…パンドラぁ〜?んだ、そりゃあ」

フィンクスも雑誌から目は離さず、声だけでシャルナークに応える。


「そっか、知らないか」

「何だよ、気になんだろ。パンドラって何だよ」

フィンクスは少し苛ついた声を出しシャルナークを見た。


「うん、で、さぁ。最近クレオ見てないけど、クレオと連絡とってるの?」


「……別に関係ねぇだろ」


”クレオ”という名前に、フィンクスはあからさまに反応し元気が無くなった。



「確か今一人暮らしだよねー?」


「知らねぇよ、あいつ俺にだけ連絡先教えねぇんだ。マチ、お前連絡とってんだろ」


フィンクスは向かえの瓦礫の山に座っているマチを恨めしそうに見上げた。


「クレオなら最近バイト始めたよ、アンタがうるさいから隠れちまったんだろ」


マチは呆れたように溜息を吐き、フィンクスを見下した。


「兄貴が妹の心配して何が悪いんだよ」


「過剰に心配しすぎなんだよフィンクスの場合」

バチバチと睨み合うフィンクスとマチをまあまあと宥めながらポケットで鳴り響く携帯を取り出した。


「あ、もしもし?もう着いた?OK、入って来ていいよー。俺いるから」


楽しそうに話し電話を切ったシャルナークを怪訝そうにフィンクスは見た。



「今から誰か来るのか?つか団長に許可とったのかよ」

「団長もちょうど会いたがってるしいいの。フィンクスは俺に感謝しなよ」

「はぁ?何で俺がお前にk」



「こんにちはー、喚ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!情報屋のパンドラでーす」


懐かしい声にフィンクスが視線を向ければ


「や、クレオ」

「久し振り、シャル兄」


捜し続けた可愛い可愛い妹の姿がありました。


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