novel | ナノ
「記憶喪失?」
へぇ、それは面白い冗談だ。
たかが自分で投げた自販機の下敷きになったくらいで、あのバケモノが?面白過ぎて笑えてくる。
「それで?今アイツは、どこにいるのさ。怪我なんてとっくに治ってるんだろう?」
「居ないよ」
「は?」
「もう彼は、池袋には居ない」
新羅の言葉は、大体が事実だ。
そしてこの言葉も、その認識を深める一つにしかならなかった。
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