▼BOF編中、心境
どうして、俺は判らなかったんだろう。貴方があんなに苦しんでいたのに、俺は貴方の傍にいたはずなのに。
不甲斐なくて悔しくて、君を掴めなかった、撫でられなかった自分の手が憎く見えた。
「(俺は、弱いよ)」
思い浮かべは、貴方に自分は大切にされていたのだろうか、だなんで疑心暗鬼。
俺のことなんて全然構わないのに、俺は貴方が元気で良ければいいのに。
「お互いに馬鹿だな」
俺は何も掴んでいない両手を見つめ、何度も握っては広げるを繰り返す。何度やってもラクサスの背を掴むことは出来なくて、皮肉に笑みが漏れる。
少しずつ、少しずつ、お前が俺の元から離れていくのを身に感じる。その度、俺の体が身震いする
お前の気配が消えてくなんて、俺は信じない。けれど
それでも身震いする自分の体が、彼の気配が消えてくのを嫌でも教えている。
俺はそれを無視するように、必死に瞼を閉じた
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