ジムリーダー ナタネ



コウキ君と一緒に一度ポケモンセンターへポケモンを回復して貰った後、私はジムに挑戦するため、ハクタイジムへと向かった。

どうやらコウキ君はもうバッジをゲットしたようだ。
なので、次の街に向かうためにサイクリングロードを通る必要があるらしく、自転車を買いに行くそうだ。


「さっきのバトル、どうだった? 」


腕に抱きかかえているスボミーに、先程のバトルの感想を尋ねる。
時機にスボミーにもバトルに参加してもらうことになる場面が出てくる。その時のためにスボミーにはバトルできるようになって貰わなくてはいけない。


「……まだ見てるだけだから、よくわかんないか」


まだスボミーにはバトルを見る事だけしかさせていない。
でも、いつか野生のポケモンを相手にバトルができるよう練習を重ねるつもりだ。


「さて、ジムに着いた」


と、思えば……誰かいる。
ジムの出入り口前に立っているのは女性だ。

女性は辺りをキョロキョロするとこちらを向いて「あっ!」と、まるで私を探していたかのような反応を見せた。


「ねぇねぇ、君が(名前)さんだよね?」

「え、なんで名前を……」

「さっきの挑戦者……コウキ君から聞いててね。カントーからはるばるやってきた実力あるトレーナーが挑戦しにくるってさ!」


あ、ごめん。自己紹介していなかったね。
女性はそう言い、私の目を見た。


「あたし、ナタネ! このハクタイジムのジムリーダーよ」

「ジムリーダーでしたか……!」


ということは、これから私が挑む相手ということになる。
……一体ナタネさんは何タイプの使い手なのだろうか。


「このジムはジムトレーナー全員に勝利することで、あたしに挑戦できるようになっているの。そういうわけで……ジムの奥で待ってるね、チャレンジャーさん」


ナタネさんはそう言ってジムに入っていった。
……よし、とりあえず入ろう。


「みんな、頑張ろうね」


1体1体のボールに触れると、私の言葉に呼応するように揺れた。



***



ハクタイジムに入って数分。
3人のジムトレーナーを相手にして、ジムリーダーへの挑戦権を得た私は、早速ナタネさんの元へと向かった。


「へぇ、まさかうちのジムトレーナー全員をこんなにも早く倒すなんてね」

「3人ともとても強いトレーナーでした」

「そう言って貰えると嬉しいな。育てた甲斐があるよ」


このハクタイジム……ナタネさんはくさタイプの使い手だそうだ。
こちらのポケモンで有利をとれるのは、モウカザルとムックルだ。

今回私はムックルをメインに挑んできた。
理由なんて単純だ。
ムックルに経験を積ませること、私とのコンビネーションを鍛えることだ。


「貴女がここまでくるのは分かってた! それじゃあ……早速ポケモン勝負しよーか!」

「……お願いします!」


バトルフィールドに移動した私達。
互いに定位置に移動し、ボールを構えた。


「いっけー、ナエトル!」

「いっておいで、ムックル!」


ナタネさんが繰り出したのは、ナナカマド博士が私にプレゼントとして見せてくれたポケモンの1体であるナエトルだ。


ナエトルというポケモンがどんな特徴を持っているのかは、ヒカリちゃんとのバトルで大体は把握している。

まず、そこまで素早くない。
その代わり、というと変だが、ナエトルというポケモンは耐久に優れている。


速さではムックルが勝っているはずだ。
それに、ひこうタイプを持つムックルは、くさタイプの技に耐性を持つ。
相性としてはこちらが有利であることは間違いない。


「行くよ、ムックル。”つばさでうつ”攻撃!」

「ナエトル、”からにこもる”!」


ムックルの攻撃が直撃する瞬間、ナエトルは”からにこもる”を使用。
ダメージは入ったみたいけど、防御が上がっていたことで少し軽減されたかな。

でも、それは元より分かっていたこと!


「もう一度! ”つばさでうつ”攻撃!」

「攻撃手段はそれだけかな? だったら……”リフレクター”!」

「!!」


ナタネさんがナエトルに指示した技は”リフレクター”という物理技を軽減する不思議な壁だ。

……まずい。
”つばさでうつ”という技は物理攻撃だ。”リフレクター”の軽減対象に入る。


ナエトル自身の防御力に、先程の”からにこもる”による防御力上昇。
それに加えて”リフレクター”を貼られた。

この先、ムックルで戦うとなれば……少し厳しいかもしれない。





2021/12/20


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