いっしょに たびしている ポケモン



「ルクシオ、一度戻って」


一度ルクシオをボールへ戻す。
これ以上のバトルは難しい。ここからは他の子に任せよう。

ルクシオのボールを直し、別のボールを掴む。
投げたボールから飛び出してきたのは……


「行っておいで、ムックル!」


元気な返事と共に宙を羽ばたくのはムックルだ。
実はジムが草タイプと聞いて、この子にジムを経験させたかったのよね。

もし今日ジムに挑戦できるのなら、これはものすごく良い準備運動だ。


「だったらこっちは……いけ、ポニータ!」


ジュン君が次に繰り出したのはポニータだ。
懐かしいな。私もポニータを連れて旅をしたものだ。現在はギャロップに進化しているんだけど、彼のポニータもゆくゆくは進化するんだろう。


「? 何ニヤニヤしてんだよ」

「いや、私もポニータを持ってたからさ。今は故郷にいるんだけどね」


だから……ポニータについてはちょっと詳しいかもね!


「ポニータ、”かえんぐるま”だ!」

「ムックル、”つばさでうつ”攻撃!」


やはりポニータは素早いポケモンだ。先制を奪われてしまった。

でも、一緒に過ごして、バトルを経験したから知ってるんだ。
ポニータはかなり厄介なポケモンだってね!


「くっ……流石に強いね」

「あんたに言われると嫌味に聞こえてくるんだけど!」


ムックルとポニータの攻撃は互いにダメージを与える形になった。
しかし、ムックルの方がダメージ量が大きそうだ。
立ち上がるまで時間がかかった。

恐らくだけど今のムックルでは彼のポニータに勝てない。
どう立ち回るか考えていた後、ムックルが指示を待っているのかこちらを振り返った。

……彼は諦めていない。
ならば彼が後悔のない、経験として次に繋げられるようなバトルにしないと!


「ムックル、”がむしゃら”!」


がむしゃら
この技は自分の体力が少なければ少ないほど効果を発揮する技。
きっと今のムックルの体力であれば、かなり減らせるはず……!


「ポニータ、とどめの”かえんぐるま”だ!!」


ポニータの攻撃を躱すことができず、ムックルは倒れてしまい気絶してしまった。
……この負けを力に変えてほしいな。一緒に強くなろうね。

ムックルをボールへ戻し、別のボールを出す。
ルクシオはまひ状態で体力もそこまで残っていない。スボミーに関してはまだバトルを知る事から始めたいから、今回のバトルには出さないつもりだ。

私が投げたボールから飛び出してきたのは___


「いくよ、モウカザル!」


ボールから出てくる音の後に、気合いの入った鳴き声が耳に入る。
綺麗な着地で地面に降り立ったのはモウカザルだ。

朝起こしたときに「バトル」という単語だけで目が覚めていたほどだ。相当楽しみにしていたらしい。


「モウカザル、”マッハパンチ”!」


速さはどちらも変わらないだろう。
だから先制技を選ばせて貰うよ!


「ポニータ、躱せ!!」

「相手の動きをよく見るのよ!」


躱す指示を受けたポニータはモウカザルの攻撃を受けないように移動する。
しかし、体力を削られた事で動きが鈍くなっていたのか、モウカザルの素早さがまさった。


「ポニータ!!」


モウカザルの攻撃を受け、ポニータはその場に倒れてしまった。
これでジュン君の3体の手持ちを失い、私は1体の手持ちを失い体力があまり残っていない且つ状態異常のポケモンがいる状況。

私の方が優勢だけど、ここからの逆転もある。
だって私はジュン君の手持ちは一切知らないんだから。


「これがオレの切り札だ! いっけぇ、ポッタイシ!」


ポッタイシと呼ばれたポケモンは一鳴きして地面へ降り立つ。
咄嗟に図鑑を取りだし、ポッタイシについて簡単に把握する。

ふむふむ、あのポケモンはポッチャマの進化形なんだね。
水タイプということは……モウカザルにとっては不利な相手だ。

だけど、一方的にやられることはない。タイプ一致で且つ水タイプに対しいまひとつではない”マッハパンチ”がある。
それにモウカザルが覚えている技でポッタイシに通用する技は”みだれひっかき”がある。


モウカザルは攻撃に特化しているが、防御面が弱い。
まあ攻撃は最大の防御って前にグリーンが言ってたし。

まだ後ろにルクシオが控えている。
バトル好きである彼だが、勝敗についてはあまり考えていないらしい。ルクシオは負けず嫌いみたいなんだけどね。


「いくよ、モウカザル! ”みだれひっかき”!」


まずはポッタイシの耐久がどれくらいなのかを見極める。
私はポッタイシは勿論、ポッチャマを所持していないからどんな性能なのかは分からない。


相手が何が得意なのか、何が苦手なのか、何が弱いのか、何が強いのか。
それらを見極めて、そこを狙う。

これが私のバトル方法だ。





2021/12/14


prev next

戻る














×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -