対 帝国学園



「あっ、苗字!!」

「やっほー、サッカー部」


出口に寄りかかって携帯を弄っていると、円堂さんの声がした。
待っていた人物達…雷門イレブンが出てきたので、手を挙げながら彼らに挨拶をする。


「見に来てくれてたんだな!」

「まあね。てか、君には言ったと思うんだけど」

「あー、そうだったな」


頭の後ろに手を置いて笑う円堂さんの顔は、優勝した事が嬉しいのか喜びを抑え切れていないようだ。


「そういや、君には言いたいことがある……」

「言いたいこと?」


ビシッと円堂さんに指を指す。
円堂さんは僕の指が目の前に来たことに驚きの声をあげ、少し後ろに後退した。


「前半戦のあのシュートの止め方は何!?初心者でもあんなミスしないと思うんだけど!?」

「いや、流石にそれはあるんじゃないか……?」


円堂さんに向かって放った言葉に苦笑いを浮かべた風丸さんが僕にツッコんだ。


「あれは………ちょっと、な?」

「ふーん?……ま、優勝したし、良いんじゃないの?」


言うなら結果オーライ、って所かな。
腕を組みながらそう言うと、円堂さんが「あ!」と思い出した様な声を出した。


「苗字、明日暇か?」

「? まあ、する事はないけど……どうして?」

「明日雷雷軒で打ち上げするんだ!お前も来いよ!」


どうやら明日、雷雷軒で打ち上げをするようだ。


「いいや、僕は遠慮しておくよ。僕、サッカー部じゃないし」

「でも、お前が準決勝の時に来てくれなかったら勝てなかったかも知れない」


断りの言葉を口に出したが、円堂さんの隣に立っていた豪炎寺さんがそう言った。


「まさか〜。目金さんのお陰でしょ?」

「君もうちのサッカー部の一員ですし、ここは素直に首を縦に振ったらどうです?」

「いや、僕サッカー部じゃないって……」

「でも、関係者なのは間違いないですよね?」

「……」


目金さんの言葉に何も言えなくなった。
そして、横目で雷雷軒のおっさんを見る。


「……ご飯、無料?」

「お前さんだけ金取ろうか?」

「無料でお願いします」


僕と雷雷軒のおっさんのやりとりに、雷門イレブンが笑い出す。
……苗字名前。
明日、雷雷軒で行われるサッカー部の打ち上げにお邪魔する事になりました。



対 帝国学園 END





2021/02/20


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