対 御影専農中
side.鬼瓦源五郎
「…『苗字名前』。こんなにも近くにいたんだな」
ある日から雷雷軒でよく見かけていた少女。
見かける度に、もしかしたら数年前に消えたあのサッカープレイヤーなのでは、と思っていたが、まさか本当に本人だったとは。
4年前に電光石火の如く現れた1人のサッカー選手。
サッカー界に現れた当時は小学生だったが、そのプレーは魅了されるものだったと聞いている。
サッカーに対してはイナズマイレブンの事しか興味がなかったから、詳しくは知らねェ。だが、FF出場間違いなしと言われていた実力に、少しだけ興味を持ち、顔と名前は知っていた。
「しかし、どうしてサッカーを辞めてしまったんだ……?」
彼女と会うまでは気にしていなかったが、こうして顔見知りになってしまったからか、気になってしまった。
噂の中には怪我でサッカーを辞めたという内容を見かけたからだ。
「……影山の回し者に何かされていた、なんて事なけりゃあ良いけどなァ」
そう思いながら、先程までの出来事を思い出す。
雷門中サッカー部の監督は、影山と繋がっている事が確認された。
だがこれだけでは奴を捕まえる事はできない。
さて、もう少し調べなくては。
遠くで鳴り響くホイッスルの音を後ろに、俺は御影専農中を後にした。
対 御影専農中 END
2021/02/18
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