参戦! 光のストライカー
「……やっぱり、現実なんだね」
家に帰る前に学校へ寄ったが、やはり現実は変わらず。
目の前には瓦礫と化した雷門中がそこにあった。
ずっと見ていても変わる事は無い。
此処にいても時間の無駄だ。踵を返し、家へと足を動かそうとした時だ。
「苗字か?」
「え?」
後ろから僕を呼ぶ声が聞こえた。
振り返るとそこには___
「雷雷軒のおっさん!!」
「響木だ」
「……響木サン」
雷門イレブンの監督、響木さんがそこにいた。
「……あれ?サッカー部のみんなは?」
「奈良にいる」
「へぇ、奈良に。…………え、奈良!?」
奈良って、あの奈良だよね?鹿がいっぱいいるあの?
でもなんで奈良に?
「奈良にエイリア学園が現れたからだ」
「へー……って、僕の心読みました!?」
「お前が分かりやすいだけだ」
僕そんなに分かりやすいのか……。
「それより、エイリア学園って?」
「お前知らんのか?雷門中をこの有様にした張本人達、中学校連続破壊事件の犯人だ。……宇宙人って言ったら分かるか?」
「! 分かる!!」
そんな呆れた顔しないでよ……僕がバカっぽいって言われてるようなものじゃん……。
「エイリア学園が学校を無差別に破壊しているのは知っているな?」
「テレビで見たよ。……他の学校でも起きていて…その、なんて言ったらいいか……」
言葉が出ない。
響木さんから視線を逸らすと、丁度雷門中だった瓦礫が視界に入った。
「苗字。今彼奴らはエイリア学園と戦っている」
「宇宙人と!?」
此処にいないのは、今宇宙人と戦っているからだったのか……!
……でも、なんで宇宙人と戦っているんだ?
宇宙人ってあれでしょ?変なビームとか使ったりUFOっていう円盤に乗ってて……。
「……何考えてるのか知らんが、ちょっと着いてこい」
僕の返事を聞かずに響木さんは先に行ってしまった。
もう、僕分かったも行くも言ってないんだけど。
まあ今家に帰ってもゲームするくらいだし、いいけどさ。
ブツブツと文句を頭の中で言いながら、響木さんの後を追った。
2021/02/22
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