期末の時間 2時間目



「ふわあぁ〜……はぁ」



文化祭が終わり、次の行事は期末テストだ。
……ま、僕は文化祭参加してないんだけどね。なんか遊ばれた記憶しかない。

なんで次が期末テストだと知っているのかというと、本日期末対策ということを伝えられ、1学期と同じく自主学習の時間を設けられたからである。

今まさにその最中なんだけど……眠い。ここ連日、ブルーライトを浴びまくっているから疲労が取れにくくて……。

ブルーライトカット眼鏡、もっといいやつにしようかな。


「ほら苗字さん起きて! あなたは余裕でトップを狙える実力を持っているんですから!!」


そんな僕に声をかけているのはターゲットだ。毎度毎度熱心だね〜。
だけど、今回は特に熱が入っている気がするな。……あぁ、そういえば。


「今回でテストが最後なんだっけ」


中間テスト、期末テストというテストがある中、僕は中間は受けていないけど……期末テストが一番出題される範囲が広くて難しいらしい。

そんな中、ターゲットはこんな説明をした。
どうやら今回の期末テストは1年の集大成……つまり、最後のテストらしい。だからこそ、ターゲットはE組全員50位以内に入れたいそうだ。

これは当時、僕がまだE組にいなかったから知らない話なんだけど、どうやら初めての中間テストでも同じくクラス全員50位を目標に掲げたらしい。……が、本校舎の意地の悪い罠にかかり、それは果たせなかった。

そんな中、唯一50位以内かつ、E組内で1位だったのがカルマだったそうだ。だから期末の時、やけに自信ありげだったのか……。あの時の悔しそうな顔、今でも覚えている。ていうか、あの頃からだよな、やけにカルマが僕に絡んでくるようになったのは……。


「そうです! だからこそ頑張ってほしいんですよ!!」


そんなターゲットには申し訳ないけど……そんなに必死になって言われることじゃないんだよね。
だって、今回もオール100点取れる自信があるんだもん。前回の期末で問題の癖は分かったし。


「そんなに必死にならなくても、ちゃんと勉強はやるさ。期末テストのためにね。分かってると思うけど、本来なら僕に学校生活で得る知識は必要ないんだよ?」


だって、すべてが暗殺に使えると言えないから。部分的に使えるものはあるかもしれないけど、真面目に覚える必要はない。はっきり言って、ほぼいらない知識だ。


「……先ほど、杉野くんが言ったこと、忘れましたか?」

「そんな短時間で忘れるとでも? ……A組の担任が、理事長殿に変わったって話だろう?」


僕は理事長殿がどのように教えるのか、ちょっと興味がある。だって、三村が言っていたんだもん……洗脳教育だって。

いろいろな感想が飛び交っていたけど、悠馬が言っていた『逆らえない』という言葉が、さらに興味を惹くんだもの。


「彼が表に出たということは、今回の期末テストは難しい問題で溢れかえりそうだ。僕の頭を捻らせてくれるといいんだけど」

「あなたがどこまで学に精通しているか分かりませんが……」


僕の目の前にいたターゲットの分身が消える。
そう認識した瞬間、耳元で僕にしか聞こえない声量でこう呟いてきた。



「___慢心はいけませんよ?」



慢心、ねぇ。
何を言っているのかわからないなぁ。


「自信家って言ってほしいね」


自信はすべて行動に現れる。
僕はその言葉を信じ、自分が使えるすべを信用してきた。暗殺においてはそれがほとんどだ。

殺し屋は諸刃の剣と言っていいのかもしれない。だって、暗殺に失敗したらそこで終わりなんだもん。初めは知らないことが多くてたくさん失敗した。


でも、その失敗を繰り返して、指導を何度も受けて……今の僕がある。
あの人の教えが間違ってるわけない。自信を持たないということは、あの人の腕を否定しているのと同じだ。

だからと言って、慢心はしすぎない。
けど、自信は持っていないと行動には現れない。



「僕は殺し屋。殺し屋レオンだ。学年トップの人間にだって化けてやるさ」





2024/03/16


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