第2節「雄英体育祭:前編」



大量のロボットを超えた先の光景は……。


「道が、ない……?」


いや、よく見たらロープがある……!


「おいおい、第一関門はチョロいってよ!!じゃ、第二関門はどうだ!!?___落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな、ザ・フォールッ!!!」


マイク先生の実況の声が聞こえる。
これは個性によっては早く進める者と進めない者に分かれるな。

そう思っていると、梅雨ちゃんとサポート科の女子生徒が進んでいく。……なんでサポート科の人って分かったのかって?さっき自分で言ってた。


「……!これ、もしかしたら妨害できるかも……!!」


早めに進める人は限られるはずだ。
私はジャックのステータスが反映されてるため、綱渡りをしなくても、あのロープを足場にして飛ぶ事ができるはずだ。
でもただ突破するだけじゃ突破してくる人は突破してくる。


「……そうだ」


折角ジャックに擬態しているんだ。あの宝具が使えるはず!


「アサシン。貴女の宝具、借りていい?」

『うん!』


ジャックから了承を得たことだし……っ!
ロープを踏み、その反動で大きく跳躍する。
いつもなら高い場所は怖いと感じるけど、ジャックに擬態している影響なのかそんな感情全く沸いてこない。

魔力の流れが変わるのを感じる。


「……さあ、暗闇の中へご招待♪___暗黒霧都ザ・ミスト!!」


ジャックが保有する宝具の1つ、暗黒霧都ザ・ミスト
この宝具は彼女が活躍したイギリスの都を再現した結界宝具である。
彼女の宝具であるこの霧はなんと硫酸の霧。つまり、有毒だ。一般人なら簡単に殺せてしまう恐ろしいものだ。
しかし、その恐ろしい性能とは裏腹に霧の中にいる人達に影響を与えるか与えないか決められる、味方を巻き込む事の無い宝具でもあるのだ。

私には殺す気は勿論無いので、そんな物騒な選択はしてないよ。


「なんだこの霧!?」

「暗くて見えない……っ!!」


周りの反応が耳に入り、妨害できている事に喜びを感じる。
その霧、簡単には払えないんだ〜。
ああでも、とっても強い力だったら振り払えるかもね。例えば……、いーちゃんのあの超パワーの個性だったら。


そんなことを思っている間に第二関門を突破してしまった。
後ろを振り返ると、黒い霧はこのエリアに充満しているようだ。
これなら今渡ってる人にも今から渡る人にも妨害できてるね!これが一石二鳥というものかな?





2021/07/04


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