第4節「神野区の悪夢」



_
__
___



『カルナと…仲良くしてほしい、ですか?』


彼女に仕えて暫く経った頃、唐突に言われた事だ
どうやらマスターはカルナから私達が別々の父を持つ異父兄弟である事を聞いたらしい


『……すみません、それはできない約束です』


意思をそのまま伝えると、マスターは分かりやすく表情を曇らせ悲しそうな顔をした
我がマスターである女性…ナマエは特殊な出生らしく、人間としての在り方が普通ではないらしい

自分を作った存在に言われるがままの存在
命令を受ければ主人である人間の為に内容を実行する……そんな存在だったと
そんな機械染みた人だが、意外と分かりやすかった
表情に浮かびにくいだけで、思っている事は態度や雰囲気に出ていたからだ


『血が繋がっている存在なんだよ?……私だったら寂しいよ』


彼女にとっては私達の事を思った行動だったのだろう
……しかしそれは、私にとって忌々しい行動でしかなかった



___
__
_



side.ギルガメッシュ



遠距離を得意としているのかと思えばそんなことはなく、炎神の咆哮アグニ・ガーンディーヴァと呼ばれていた大弓の両端に魔力でできた刃で斬りかかってくると、近接攻撃も出来ると来た。
だが易々と受けるわけにはいかない。宝物庫から斧を取りだし、攻撃を受け止める。


「英雄王ギルガメッシュ……確かに貴方は名の知れた大英雄だ。しかし、私は戦士クシャトリヤ、そんなことを理由にするわけにはいかない」

「はっ。貴様が何を思おうがどうでも良いが、名前は我のものだ。疾く失せよ、雑種」


互いの力がぶつかり合い、その力で両者とも弾かれる。
力量はほぼ同じ……いいや、こちらの方が上か。それもそうか、何せ9回も殺しているのだから。

だが、先程までよりは手応えがある。恐らく、自分にあっていない能力を無理矢理使っていた・・・・・・・・・からだろう。


「貴様のモノ……だと?」


アルジュナの纏う雰囲気が変わる。
それは文字にして表すなら“怒り”。
器の持ち主本人では見る事はないだろうその表情は、英雄アルジュナによって作られた表情だ。名前のものではない。


「貴様もマスターを傷つける者の一人か!!!」


飛んできたのは数えるのが面倒な量の矢。
どうやらかなり大きな勘違いをしているようだが、話を聞く聞かない以前に、この量の矢をどう対処するか……。


「……マーリン」

「分かったよ、ギルガメッシュ王」


丁度良い、貴様に一度だけ我に力を貸すことを許す。
あの特異点の思い出が蘇る……そうだろう、魔術師?





2024/04/21


prev next

戻る














×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -