第4節「神野区の悪夢」
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『サーヴァント、アーチャー……アルジュナと申します。おや、貴女はあの時の』
呼ばれた声に応じ視界が明るくなると同時に目の前にいたのは、カルデアの女性マスター
向こうも私の発言にアメリカで出会った自分である事に気付いたようで
『お久しぶりです。あの時はありがとうございました。改めて、私は名前と申します。よろしくお願いします、アルジュナさん』
『“アルジュナ”で構いません。貴女は私のマスターなのですから、敬語は不要ですよ』
敵対していた人物がマスターになる……世の中、どう動くのか分かりませんね
彼女に仕える事に何の不満もありませんが、1つだけ言いたい事がある……どうしてカルナと一緒に召喚したんですか!!
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side.ギルガメッシュ
アルジュナ……雷雹神インドラの血を持つ、授かりの英雄と呼ばれるサーヴァント。
そして、施しの英雄カルナとは異父兄弟の関係だったな。
確かに名前は、我含め名だたる英雄と契約している。それは事実だ。
その英霊達を、呼吸するかのように魔力を供給し続ける事を可能としている彼奴の魔力量には、いつも驚かせられている。
「さて、どうするか」
単純な打ち合いならばこちらが上だ。理由は簡単、いくら強力な威力を誇ろうと、所詮は矢。大してこちらは宝具だ。
それに、こちらには神性が高い程高度を増す、我が友の名を冠した天の鎖がある。半神であるあの英霊には、その特性が発揮される。拘束できるのも時間の問題だ。
「その鎖の性能は既に分かっている。通用しません!」
天の鎖を射出するも、向こうは炎を纏った弓で相殺させた。
性能を知っていると言うことは、我が此処へ来た時点であの英雄が名前の身体を乗っ取っていたと言う事だ。
……そして、このアルジュナとかいう奴が表に出てくるまでの間の過程…同じマスターを持つサーヴァント達の能力を使っていたのは紛れもない奴だ。
能力云々は知られていると考えた方が良いな。
当たり前だが、アルジュナとやらが他のサーヴァントの能力を使うことはできない。
何故使う事ができたのか……それは名前という器に入っているからだろう。
我は名前だから己の力を貸し与えている。他の者も同じ理由であろう。
強制的に取り込まれたといえど、意識がなくとも意思はあるはずだ。まあ無かったら無かったで、間抜け共と罵るだけだがな。
2024/04/21
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