第4節「神野区の悪夢」
痛いいたいイタいイタイ!!
苦しいくるしいクルしいクルシイ!!!
どうして私ばっかりこんな目に遭うの?私が何をしたっていうの!?
身体が落ちていく
底の見えない奈落へと落ちていく感覚
二度と地上に戻ることを許さないと言わんばかりに、誰かが私の足を引っ張っている!!
「嫌だ……いやだっ、イヤだあああ!!!」
手を伸ばしても誰も手を取ってくれない
光はどんどん小さくなっていく
___自分が、自分でなくなっていく感覚
「まだ死にたくない!!誰かッ、誰かあああッ!!!」
誰か私を……私の手を取って……
まだ、まだ生きていたい……誰か、誰か………っ
「勿論です、マスター」
消える浮遊感
伸ばした手に温もりを感じ、それと同時に引っ張り上げられる感覚
___抱きしめられる感覚
「貴女が願うのならば、何度だって手を握りましょう」
撫でられる感覚が心地良い
……これは夢なの?
「夢なんてものではありませんよ」
夢ではない?貴方は本当に×××××なの?
「ええ、貴女のサーヴァント×××××ですよ」
あの時、私を止めようとしたのも、貴方なの?
……私って本当にあの時から変わってない。失敗ばかりだ
「失敗なんてものは人間ならば誰しもある事です。……それを教えてくれたのは、貴女ではありませんか」
私を包む身体に腕を回す
……その感覚が、現実であると認識を高めていく
「さあ、このまま私に身を委ねて。……大丈夫、貴女はただ私に任せるだけで良いのです」
あぁ、なんて温かい
……このまま貴方の腕の中で眠ってしまいたい
痛い事も、苦しい事も忘れて___
「私は貴女に救われた。だから私は、何度でも貴女を救います。……ずっと貴女の側にいますよ」
___今度こそ、最期の時まで
2024/03/12
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