第4節「神野区の悪夢」
side.アクア
「何で俺が雄英の尻拭いを……こちらも忙しいのだが」
『まァそう言わずに。貴方もOBでしょう』
「お前雄英出身なんだから、別にいいじゃんか〜。親孝行ならぬ、出身校孝行。なんちて」
「うるさいぞ、アクア」
「まあまあ。雄英からは今ヒーローを呼べない。大局を見てくれ、エンデヴァー」
「チッ!」
「今回の事件はヒーロー社会崩壊の切っ掛けにもなり得る。総力をもって解決に当たらねば」
現在
作戦会議が終了し、それぞれが配置の場所へと移動が完了した。
僕が緊急出動を要請された内容は、まさかの敵連合関連。……個人的には嬉しい話だ。
「お前の娘……攫われたんだろ」
「何?心配してくれてるの?」
「……まァ、多少はな」
「炎司がデレてる……!?明日は雪が……ん゛んっ。失礼、間違えた。……明日は槍が降るかもしれないな!」
「言い直さんでいいわ!結局意味は変わっておらん!!」
炎司のデレは数年単位だからなー!
録音できる奴があれば、後で弄る時のネタにできたのに……残念。
「でも、ありがとな。……ちょっと緊張解けた」
「……フンッ」
この事件で招集されたヒーロー達は、雄英の生徒…名前の同級生が付けた発信機で判明したアジトへ向かう組と、拉致被害者……勝己君と名前がいる場所へと向かう組の2グループに分かれた。
拉致被害者がいる場所……それはつまり、敵が集中していると思われる。そちらに主戦力を投入する事で被害者の奪還を最優先となった。
個性上都合が良いからと僕は被害者奪還グループの方へと入れて貰えた。……恐らく、僕は名前を直接救えないだろう。ヒーローは私情で動いてはならないから。
でも、取り返せたその時は……親として抱きしめても良いよね?
「今回はスピード勝負だ! 敵に何もさせるな!」
今回の作戦は拉致被害者の奪還とアジトと思われる場所の制圧。
塚内さんによると、先程の会見は敵を欺く為のものらしく、根津校長先生にのみ協力をして貰ったそうだ。
「意趣返ししてやれ!さァ、反撃の時だ!___流れを覆せ!!!ヒーロー!!!」
さぁ、任された仕事をやりましょうか!
2023/12/04
prev next
戻る