はじめてのあさ(2/3)





昨日のこと。
鷹雪くんと私。
ひとつになってしまった。
世の中にこんな行為があったなんて。

はじめは、どうしてこんなことをするのか理解できなかったけれど。

わかった気がする。

自分のすべてを相手に晒して、心と心が近づいた。
そんな感覚。



「鷹雪くん」



ふと思い出して寝室に戻ると、顔を真っ赤にした鷹雪くんがいた。
まだ服を着ていないみたいで、上半身裸のままベッドに腰かけ、足元には布団を掛けている。

どうしたの、と近寄ろうとしても来ちゃダメだと制止される。
布団の中でなにかもぞもぞとやっている。



「シーツ、洗おうと思ったんだけど」

「ちょっと、ちょっとだけ待ってて。持ってくから」

「うん。あ、……あのね、……」



キスしたい、なんていったら、驚くかな。

来ちゃダメと言われたけれど、もう少しだけそばにいたい。

昨日の夜見せてくれた、なにかを堪えているような。そんな顔をした鷹雪くん。
そっと近寄れば、ぎょっと目を丸くさせる。



「だ、だめだって」

「したいの……」

「な、亜子ちゃん……っ!?」

「だめ?」

「だ、め、でもないけど、……痛くない?」

「えっ、痛い? き、キス……」

「あ!」



あ、と私も気がついた。
鷹雪くんは、別のことを考えている。

昨日の、こと。
私も思い出してしまい、また顔が熱くなる。



「ごめん……またあとで、じっくりしてあげるから。ちょっと待っててね」



熱いほっぺに触れたあなたの唇。



「ちょっとだけ、ひとりにさせて。……着替えたいから。」



小さくうなずいて部屋を出る。

近寄ったとき、布団の隙間から少しだけ見えてしまった。
大きくなった男の子の部分をぎゅっと握りしめていた鷹雪くん。

男の子はそういうことをする、という知識はある。
前に一度、見てしまったこともある。
その時ははじまる前(って表現でいいのかな)だったけれど。

私のこと、思い出してたのかな。

昨日の夜のこと――。

鷹雪くんが触れてくれたところを自分でもなでてみる。
鷹雪くんがなでてくれた感触とは、全然違った。



「えっち」



私も、鷹雪くんも。


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