■ ◆T・K・W
空条承太郎を殺せとDIOに命令されて肉の芽をインされて日本に送ら・・・命令を頂いて日本へ向かう事を許された俺は、それでも二度目の肉の芽だからか、比較的自分の意識はハッキリしていた。ので、同じく肉の芽をインされていた花京院くんと日本の空港に降り立ったんだが・・・うん、前から思ってたんだけど花京院くんってさ。
「きゃっ・・・」
「おっと、大丈夫ですかお嬢さん」
生まれながらのぼっち(本人談)なのに、なんでイケメン力がカンストしてるの?ん?ぼっちだよね?君DIO様に出会うまでは生粋のぼっちだったんだよね?と思わず俺が疑う程、なんというか女性へのカバー力が半端なかった。
しかも爽やかな笑顔を張り付ける技術は誰にも負けませんとばかりのキラキラ笑顔に、俺は思わずサングラス!かけずにはいられないッ!となったのでサングラスをかけていた。ちなみにサングラスは花京院くんがくれました。・・・っておい・・・何で持ってるんだよ・・・お前なんで持ってるんだよ・・・すごすぎか・・・気配りの神か・・・MYくしも持参とか・・・女子か・・・。と、俺が色々項垂れている間にも、花京院くんは止まらない。
「空条承太郎の住む地域まで、このバスに乗れば一発ですよ」
●AVITIME機能も完璧だよ・・・なにこのハイスペックぼっち。お前のようなぼっちがおるか。しかも羽衣のようにスカーフを首にまとわせてパリコレ会場みたいなウォーキングでどんどん進んでいかないでください・・・きこえますか・・・ここはパリコレ会場ではないのです・・・俺を・・・おいていかないで・・・きこえますか・・・。と、こんな感じにどっちが年上か分からない状態で、とうとう俺たちは空条邸のある地域についた。
よーし!さっさと空条承太郎を××してDIO様のところへ戻ってハルノと遊ぶぞー!あれ、具体的には何するんだっけ、と、ボケ老人のような状態の俺と、空条承太郎むちゃ許せんよなァー状態の花京院くん(ちょっと前までごく普通の一般人学生:スタンドは添えるだけ)は、とりあえず空条承太郎を探そうという事になった。
が、その前に花京院くんが。
「やっぱりハンカチに果たし状を書いてから探しにいきましょう」
「そりゃそうだ!」
今思えば「なんでだよ!!!」とツッコミたいが、当時は素直にそう思った俺と花京院くん。
花京院くんが持参していたMYハンカチ(女子力ry)にとりあえず果たし状のメッセージを書いた後、さあ探しに行こうと意気揚々と立ち上がる花京院くんに俺はストップをかけた。
「待て!しっかりフリガナも振った方がいい!!」
「そりゃあそうですね!」
ふ り が な な ん て ど う で も い い よ !!!!!!
いや、当時はフリガナが重要だったんだよ・・・そうなんだよ・・・なんて今の自分を納得させながら、当時の俺と花京院くんはハンカチに必死にフリガナをふっていた。ふっていた、が。
「ほんじつぢゅう」
「あっ」
「あっ」
とりあえず色々見なかった事にして、花京院くんはそっとハイエロ柄のハンカチを胸ポケットにしまった。
うん、わかる。力入り過ぎちゃうと文字にも濁点ついちゃうよね。ゔわ゙あ゙ってなるよね分かる分かる。
そしてそれを見事空条承太郎に渡した花京院くん。ぶっちゃけ影崎はそえるだけです。そしてなんでちょっと前までただの学生やってた花京院くんはハイエロファントの攻撃のバリエーションが豊富なんだろう・・・アルゼンチンバックブリーカーとかどうやって習得したんだろう・・・お前のような学生がおるか。あ、いた、ジョジョいた・・・ジョジョ学生だった・・・。
「この先生をキズつけはしねーさ!」
優しい!!!思ってたよりこの不良優しい!空気を読んでフリガナの間違いもそっと目を逸らして見なかったことにしてくれた不良優しい!でもね!
「こうやってひきずり出してみれば、なるほど・・・とりつくしか芸のなさそうなゲスなスタンドだぜ花京院!」
でもね!空条承太郎!むしろソイツ多芸すぎてびっくりなスタンドだから!!!しかもゲスどころか俺に空条承太郎以外のアフターケアを頼んでくる優しい子なんです!いい子なんですその子!!!先生の傷はゲル化してふさいどきましたよ!学生も失明してませんからね!影崎はちゃーんとわかってるんですからね!
今思うと、いろいろ爆発したい衝動に駆られるが、その後なんやかんやで肉の芽を抜いてもらった俺と花京院くん。
ジョジョの言葉にほろり、と涙を流した花京院くんは、しばらく経った後、とりあえず俺と向き合って、コクンとお互い頷きあった。
とりあえず・黒歴史は・忘れよう!
(今思うと、なんでマリオネット持参してたんだろう・・・僕・・・)(俺もなんでオカンみたいになってたんだろう・・・)
かに缶様リクエストありがとうございました!
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