3班と喧嘩する話
苦労人なテンテン成り代わり

―――




うちの班員は担当上忍を含めとても個性的なのです。そのため私がとても苦労しているということを是非とも皆さんに知ってもらいたいので一人ひとり簡単に紹介しようと思う。

まず担当上忍のマイト・ガイ先生。この人は群を抜いてウザ…ゴホン、個性的な人である。口癖は「青春!」だ。とにかく熱い人で、私とネジはいつも巻き込まれる。もうこの人は名前をガイから害に改名すればいいと思うよ、害先生。

次に班員のロック・リー。この人アカデミーのころから熱い人だったけどガイ先生の影響でそれに拍車がかかり、今では手に付けられない処まで行ってしまった。でも仲間思いなところは高評価です。だけどそれ以上に暑苦しい。ウザ…個性的すぎる。

そして最後に日向ネジ。彼は私と一緒でガイ先生とリーの暴走に巻き込まれている苦労人だけど、彼も彼で自由というか…任務以外の協調性とか気遣いとかかける。昔ほどではないけどたまにリーとケンカしちゃうし。私の中では問題因子の一人でもある。

そしてそんな毎日を送ってきた私の精神がとうとう限界を迎える。


「いい加減にしてよ!!!」





…出来事は本当に些細な事だった。迷い猫を探す任務を請け負ったとき中々見つからずネジがイライラ。「全力で探せば必ず見つかります!」と励ますリーの言葉に更にイライラしたネジは強い口調で言葉を返し、最終的には「忍術を使えない奴が偉そうに」的な発言をかました。

それにさすがの温厚なリーも怒る→ネジも怒る→言い合いになる→ガイ先生は「青春だ」と笑っている→最終的には私がキレる

という展開です。

普段はキリのいいところで止めに入るのだけど、もう限界だ。





「なんであんた達はいっつもいっつもくだらないことで言い合いするのよ!今回はネジが悪いけどリーも一々真に受けない!こんなだからいつまでたっても猫一匹たりとも見つけることが出来ないんだよ!」

「お、おいなまえ、ちょっと落ち着いて…」

「ガイ先生もガイ先生よ!ケンカが起こったらまず止めに入るのが先生でしょ!?なんでいつもいつも私に任せて自分は笑ってみてるだけなの!私の苦労も少しは分かってくれてもいいじゃない!」

「あ、ああ…すまん」

「もういいわよ!あんた達は一生ここで仲良く喧嘩でもしてれば?さようならっ」







「皆なんて……大っ嫌い!」



* * *



「…言ってしまった」




暫くはがむしゃらに走り、体力が尽きたところにちょうど公園があったのを見つけたので休憩がてらブランコに腰を下ろした。私のあまりにも暗い雰囲気に子供たちの視線が刺さるけど、そんなこと気にする気力もなく、さらに気を重くさせた。

…言い訳になるけど、みんなのことは大嫌いなんかじゃない。寧ろ大好きなの。だけど…少しは私の気持ちも少しは考えてほしかっただけなんだよ。我がままかもしれないけど。
でもこれからマンセルを組んでいくんだから少しは気を遣えよ!とも思った。
…今回は、私も悪かった、かな。でもどんな顔してみんなのところに戻ればいいんだろう。先生は上司でもあるのに説教臭いこと言ってしまった。リーとネジは友達であり同期の仲間であるのに…。





「はあ…」
「「「なまえ!」」」






幻聴かと思った。だけど俯いていた顔を上げるとそこにはドロドロに汚れた3人が私の目の前に立っていた。結構走ってきたのか、体力馬鹿のリーとガイ先生も息を切らせている。ネジも百眼で私を見つけ出したのか、その眼は筋張っている。そんなに一生懸命探してくれたことが申し訳ないのと同時に、嬉しかった。






「さ、先ほどはすいませんでした。僕も冷静さを欠いてしまいました。今日だけじゃなく、いつもなまえに甘えてばかりで…そのことを当たり前のように思っていました」

「…リーには謝った。お前にも、謝らなければいけない…すまなかった。俺たちをまとめてくれるお前の苦労に気づけなかった」

「俺もしっかりしているお前にいつも頼ってしまっていたな。先生としてふがいなく思う、すまない」

「みんな…ごめんね」






涙が出るのをなんとか我慢しながらみんなの顔を見ると、彼らは優しい表情で見ていてくれた。やだな…人前で泣いた事なんかないのに、この人たちの前だと気が緩んじゃうよ。







「猫も無事見つけました!僕とネジがちゃんと協力して捕まえたんです!」
「お前がいなかったから随分手間取ったがな」「ははっ…ごめんね、任務さぼっちゃって」
「なーに、これもまた青春だ!」






そういって豪快に笑うガイ先生に、今日ばかりはなんだか心が救われた気持ちになった。

…それからみんなで火影邸に戻り、無事猫の引き渡しが終わり帰りはみんなで焼き肉だ!とガイ先生の提案でお店に向かう。






「あ」
「?どうしたんですか、なまえ」
「あの言葉、訂正してなかったと思って」
「?」





「私、みんなのこと大好き!」






少し照れながら言った私にガイ先生は涙ぐみながらも強い抱擁を強要してきたけど、今日は受け入れてあげよう。
いや、リーまで来なくていいって。ネジは見てないで助けなさいよ。



もう…しょうがないなぁ。




――――


大好きだから許しちゃうっていう。
テンテン成代り主は第3班を仕切ってます。
そんな主に頭が上がらない男たちを書きたかった。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -