サスケに恋する話
演習の試練を無事突破した私たちは、担当上忍のカカシ先生とともに日々雑務に追われていた。草むしり、犬の散歩、老人の買い物依頼……正直とても楽だ。ナルトやサスケ君は不満そうだけど。そんな平和な日々は最初だけだとちゃんと理解している賢い私は日々の鍛練を怠らない。いつ死闘を繰り広げる任務に駆り出されるかもわからないし。

本日の任務をすべて終了させた私たちはアカデミー前で解散となった。ナルトにはデートのお誘いを受けたがやんわりとお断りを入れて演習場へと向かった。そう、向かった。だけどそれは私だけじゃない。

「さ、サスケ君もこれから修行?」
「ああ、なまえもか」
「う、うん。やっぱり私一人だけ女だし、非力だから二人よりも努力して足手まといにならないようにしなきゃと思って!ハハハ……」

二人きりになるのが初めてで吐くほど緊張していらんことまでペラペラと口が喋る。いや、あれ?なんで私こんなに緊張してんだよ、おい。相手は(精神的に)年下だぞ。しっかりしろ。自分に言い聞かせるが、心臓は相も変わらずばっくんばっくん言ってる。よくわからない汗まで出てきた。

「お前は忍術も体術もアカデミー時代から長けていた。足手まといになんかならない」
「え?」
「ナルトの方がよっぽど足引っ張ってるだろ」
「あ、ありがとう……?」

ありがとう、という言葉はこの場面で適切なのかどうかは分からないけど、アカデミーのころから私を気にかけてくれていたことがちょっと嬉しくなってしまったのでお礼を言ったのだけど。サスケ君がふっと笑みを浮かべてくれたので間違いではなかったみたい。そしてその笑みに、私は呼吸をするのも、歩くことすら忘れてしまった。
突然立ち止まった私に首を傾げ、同じように足を止めるサスケ君。

「どうした」
「いや、あの、サスケ君がすごくカッコよくて」
「はっ?な、なに言ってんだ……」

耳まで真っ赤になったサスケ君に私はもう卒倒寸前だ。いのさん、ごめんなさい。
もう後戻りが出来ないくらいに彼に惚れてしまったようです。
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