サスケと結ばれる話
サスケが好きだと気付いてテンパる主と茶々を入れるカカシにイライラするサスケの話



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「ささささすサスケ君おおおおおおはようなのだ!!」
「…………はよ」

最近の私はどうかしてる。他人から見ても相当イっちゃってると思われてるだろう。現に班員からちょっと引かれてる。この視線が結構辛いのですが、だからといって普通に戻れるわけではないので困っているのです。

サスケくんに恋したと気がついて、前世を含めても恋した経験が皆無な私はこの気持ちをどうしたらいいのかわからず日々テンパっております。

そんなあまりにもあからさまな態度をとる私を見かねた恋多き大人であるカカシ先生が甘栗甘にて相談に乗ってくれた。

「あのねぇ、なまえ。多分サスケもお前に好意を持たれてること気づいてるヨ」
「いやまさかそんな……!」
「いや、なに驚いてんの。あんな態度とっといてお前ねぇ」




馬鹿なの?と半目で見てくるカカシ先生にイラッとしたのは仕方ない。彼は人をイラつかせる天才なのだから。
それでも私は何も言い返せなくて、手に持っていた湯呑に口をつけて視線をそらす。いや、だって……でも……。そんな言葉しか出ない私を見るカカシ先生の目元が細まり、柔らかい笑みを浮かべた。そしてぽんっといつものように優しく頭をなぜてくれる。

「ま、なんて言うかな。そういう初っぽいところが男心を擽る場合もあるからさ。お前はお前のままでいいと俺は思うヨ」
「先生……!」
「あれ、サスケじゃなくて俺のこと好きになっちゃった?」

そう冗談めかしたように言うカカシ先生に私はうししっと笑って見せた。

「サスケ君への好きとは違うけど、私、カカシ先生のこと大好きだよ!」
「(キュン)」
「うわっなんで抱き着いてくるの先生!」
「お前が可愛いこと言うからでしょ」

唐突に先生がぎゅうぎゅうと抱きしめてくるもんだから手に持っていた湯呑から少しお茶がこぼれてしまった。もう、危ないなぁ!そう怒ってやろうと思ったとき、体に絡みついていた体が離れていく。何かに引っ張られるような感覚と同時に首元に回る腕。
少し後ろを振り返ってみると、そこにはいつもより眉間にしわを寄せたサスケ君がいた。
え、さ、サスケ、くん。ち、ちかっ!!
それだけで私の心臓はドッカンドッカンと激しく鼓動を打つ。さっきカカシ先生に抱きしめられた時には感じなかった苦しみが私を支配する。

「何してやがんだ、ロリコン」
「あれェ、サスケ君じゃあないの。今日修行行くって言ってなかったっけ。こんなところでなにしてるのかなー(ずっとつけてたのバレバレだったけどネ)」
「……」

あれ、なんだか、怒っておられる?
不機嫌そうにカカシ先生を睨むサスケ君。だけどその腕はまだ私を後ろから抱きしめる形のままで。この状況に一人戸惑うことしかできない私。

「さ、サスケくん……?」
「………いくぞ」
「え、ちょ、まって!」

肩に回されていた手が私の左手を引いたため、慌てて座っていた長椅子に湯呑を置く。引きずられながらも後ろを振り返るとカカシ先生が親指をぐっと立てて笑っていた。え、その親指はどういう意味?たぶん先生なりのエールなのだろうと思い前へ向き直る。

―――サスケ君に連れてこられたのは演習場だった。そこには誰もおらず無人であり、木々だけが私たちをかこっていた。

「さ、すけくん。ど、どうしたの?」
「……」
「お、怒ってるの、かなぁ……なんて」

ドン!

私の後ろにあった木に手をついたサスケ君はずいっと顔を近づけてくる。え、これは所謂、壁ドンというやつですか。そんな分析をするけれど、私の頭の中はショート寸前だった。よく考えてみてほしい。好いてる男性に顔を近づけられ、尚且つ女子が憧れるシチュエーション。ドキドキしない方がおかしい。






「お前は無防備すぎる」
「へ?」
「わかんてんのか」
「ご、ごめんなさい?」
「もうカカシに必要以上に近寄るな。ナルトにもだ」
「え…?」
「あとお前がアカデミーで仲良かったシカマルとチョウジともだ」
「それって…」
「返事」
「は、はい!」






ねえ、それって嫉妬ですか?
そんな自惚れた科白は、私の心の中でとどめておいた。
だけどにやけが止まらないのは許してください。
サスケ君は私のことなんとも思っていないのかもしれないけど、今だけは私のこと気にかけてくれてるって自惚れたいの。

「おい、」
「ん?」
「……伝わったか?」
「?うん」
「いや、わかってないだろ」
「なにを、」
「ずっと、好きだったんだよ……お前のこと。……察しろよ」

あれ、自惚れなんかじゃ、なかった。

「わわわわわ、わたしも、です!」

どもる私に、彼は優しく笑った。









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