我愛羅を溺愛する話
ブラコンなテマリ転生主と、シスコン我愛羅。

転生主8歳、我愛羅5歳くらいの時の話。




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前世の私はひとりっ子だったのだけれども、生まれ変わってから数年経った今、私には2人の弟が出来ていた。二人ともタイプは違うけれどそれぞれに愛嬌があって、姉としては辛い。何がって、可愛すぎて胸キュンが止まらないからだよ!二人とも姉さん、姉さんって慕ってくれるからそれが本当に萌……げふん。

……然しながら、我が家は少々特殊で、父が何と里の頂点に立つーーーつまりは風影だという事。母は二番目の弟が生まれた時に死んで居なくなってしまったこと。そして、その二番目の弟には守鶴という尾獣が封印されていること。
尾獣とは……ていう話しをすると色々ややこしくなるし私自身もよく分かっていないから割愛させて頂きます。

兎も角、その尾獣を封印されている我が弟、我愛羅は国民から恐れられ、嫌われてきた。私はそれがどうも納得出来ない。なぜ私の可愛い弟がこんなにも孤独や悲しみばかり感じなければいけないのか。あの子はあんなにも優しく、人を思える子だというのに。
私は決めたのだ……私だけは、我愛羅の側にいようと。





「我愛羅、我愛羅」
「ねえさ、ん」
「!どうしたの?!泣いてるの?誰に苛められたの?姉さんがボコって……ヴヴン、注意してあげるから!」
「ちかよるな、ばけものって……いわれ、て」
「(よし、殺そう)」
「!姉さんどこいくの?……僕を一人にしないでッ」





ガキどもを抹殺に行こうと踏み出した途端、我愛羅が慌てたように裾を掴んできた。正直クソ可愛い。興奮冷めやらぬ心情を何とか隠し、弟を安心させるよう姉らしいほほ笑みを浮かべた。



「ごめんね……ちょっとカッとなっちゃった」

「ううん……」





しっかりと向き合うように振り返った私を見て我愛羅はホッとした表情を見せた。
不安にさせて申し訳ない気持ちになるも、そんな弟がとてもいとおしく思いながら小さく細い肩に両手を置いた。





「あのね、我愛羅。里の皆はまだ我愛羅をよく知らないから酷いことを言ってしまってるの。だから許してあげてとは言わないよ。私だって腸煮えくり返る位には怒ってるわけだし。
だけど何年もかかるかもしれないけどきっと分かり合える時が来るから。だから、里の皆を嫌いにならないであげて?」





そう言って優しく頭を撫でてやると悲しみに揺らいでいる瞳がゆっくりと細められ、ふにゃりと笑みを浮かべた。
だけど何を思ったのか不安そうに涙を浮かべ私の顔を覗いてきた。





「姉さんは、僕を嫌いにならない?」
「有り得ない死んでも無い。私は我愛羅を愛してるから」
「あい?」
「うーん、なんて言うかね、好きよりも大好きよりも更に好き!っていうこと!」
「!じゃあ僕も姉さんをあいしてる!」
「ぐふっ」





こりゃ攻撃力高すぎるぞ、弟よ。
姉さんはもうノックアウト寸前です。






「ね、ねえさん!」
「ごめん。突然のめまいが……」
「!だ、だいじょうぶ?!病院に……」
「いや、ただ我愛羅が可愛すぎてくらくらしちゃっただけだから」
「!ぼ、ぼくはおとこだよ!かわいくないっ!」





そう言って頬を膨らます我愛羅を可愛い以外の言葉で言い表すことができようか。でもそういうと3日間くらい口を聞いてくれなくなりそうだからなけなしの理性でグッとこらえた。












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