たとえばきみがすき、とか







「うふふっ」


可愛らしいフリルのエプロンを身に付けたリズは大量の材料を抱えてキッチンに入った。


「喜んでくれたらいいなぁ」


リズはある人物の事を思い浮かべながらにんまりしていた。


たまたま手にとった雑誌。


そこには


「男は胃袋を掴まれるとすぐ落ちる」


とあった。


リズは大好きな大好きなフレデリクを思いながら自分のお小遣いで沢山の材料を買って来た。


「よしっ!

私だってフレデリクの胃袋をがっちりと掴んでやるんだ!」


あの朴念仁を落としたちょっとドジなあの子のように。




ところが……




「わ、紫色の煙が……きゃあっ!?

す、スープが虹色………」


「玉ねぎを切ったら目が痛いよー!!

絶対何か間違っちゃったんだ!」



料理の知識も腕も無いリズが、料理をうまく作れるはずもなかった。



「あっ!鍋が吹きこぼれてる!」


カタカタ蓋を鳴らす鍋の蓋をリズは必死に止めようと手を伸ばした。


「……熱っ!!」


熱された鍋は大変熱く、リズは手に火傷を負ってしまった。


「うう……痛いよ……」


リズの目から涙が溢れたその時。



「リズ様。火傷は直ぐに冷やして下さい。」



そう言って背後から伸びた手がリズの手を掴んで用意してあった氷水に浸けられた。



「………フレデリク」



「これはまた盛大に失敗しましたね……」


フレデリクは困ったように微笑んだがどこと無くその表情は嬉しそうだった。


「私の為にここまでして下さってありがとうございます、リズ様」


そう言ってフレデリクはリズの作った虹色のスープを飲んだ。


「あっ、フレデリク……身体に悪いよ、それ……」


「そうでしょうか?
とても美味しいですよ。」

「え……?」


リズは恐る恐るスープを飲んだが、やはり飲めた物じゃ無かった。


「こんなのが、本当に美味しいの……?」


そう尋ねると、フレデリクははい、と頷いた。


「リズ様が、私の為を思って作って下さっただけでそれはとても美味しい物ですから。」


いつもの怖い笑みではなく、心の底から嬉しそうな笑みをしていた。


「フレデリク……うう、ありがとう……」


リズは目に涙をいっぱい溜めて精一杯の笑顔で言った。


「それに、リズ様。」


「え?」


フレデリクはリズに近寄ると、そっと目尻にキスをした。


「……こんな事しなくたって、とっくに私の心は貴方のものですよ、リズ様」



リズは顔を真っ赤にしてフレデリクに抱き付いた。



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cross様リクエスト、フレリズでした。


よく見に来てくださって嬉しいです。


ソルティアを気に入ってくださって本当にありがとうございます!


ゆくゆくはソルティアメインのサイトになるかもですからね(笑)


フレリズ、もう少し甘い方が良いと言う事であればいくらでも書き直しますので言って下さい。


リクエストありがとうございました。







  
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