朝丘未央 編 (雄志×未央 3)
『みっちゃんハロー、相変わらずつまらん授業だZ!』
『みっちゃんは選択なにー?』
『今度夏川も誘ってあそばね?』
あの日富田君と知り合ってから、机の落書きには僕の名前が登場するようになった。
最初は未央ちゃんなんて呼ぶから思いっきり拒絶したら、最終的にみっちゃんに落ち着いた。
僕と富田君のクラスは遠く離れていて実際にはなかなか直接会って話すことはないけど、こうして机を通してのやり取りをしているうちに随分と親しくなったと思う。
それこそずっと前から友達だったかのように。
でも…
最近の僕はどこかおかしいのかもしれない。
それは
『みっちゃん、マジ優しい!大好き(^O^)/』
「――っ!?」
こんな風に富田君の言葉に顔が赤くなったり、突然心臓が早くなったりするんだ。
(これってもしかして…いやいや、そんなわけない!!)
放っておくと勝手に溢れてきそうなこの感情に蓋をして、僕はずっと気付かない振りをしていた。
だって気付いてしまうと、もう止められなくなりそうで怖かったんだ。