甘いキス
 



屋上で寝転んで、雲ばかり浮かんでいる空を何も考えずに見つめていた。


「テーツーヤ」


すると、ぴとっと頬に冷たいものが触れて、声のした方を見る。


「千晴さん…」
「なにしてるの?」


千晴さんは缶ジュースを片手ににこっと笑った。


「ぼーっとしてました」


僕がそう言うと、千晴さんはクスッと笑って、寝転ぶ僕の隣にちょこんと座る。

ぷしゅ、と缶ジュースを開けた千晴さんの手が、ボクのすぐそばに置かれた。
千晴さんはそのままジュースをゴクゴク飲んだ。


「あー、おいしいーっ」


すぐそばに置かれている千晴さんの小さな手を、なんとなく握った。

それに気づいた千晴さんは、僕に視線を向ける。


「…テツヤ?」


なんとなく。握りたかっただけだ。

…恥ずかしくなって、話をそらす。


「僕もジュースください」
「…」


僕の言葉に千晴さんは、ジュースと僕を交互に見比べて、「あげない」と笑った。


「…ケチですね」
「あははっ」


千晴さんはまた笑う。
僕はその笑顔から顔を背けた。

…この人といたら、何だか僕だけがドキドキしているようで嫌になる。


「テツヤ」


名前を呼ばれて、背けていた視線を千晴さんに向け直す。

そしたらいきなりキスをされた。

「…、」

その柔らかい唇を堪能する暇もなく、口の中に何かを送り込まれた。
甘い味。口の中が潤った。

唇が離れると、千晴さんは照れたようににこっと笑った。


「…ケチじゃないよ」
「……」


口に送り込まれたジュースをゴクッと飲み込んで、千晴さんの笑顔を見ると笑みがこぼれた。
















≪END≫
ベタwwwww

甘ーいのが書きたかった。









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