1 初対面

〜静雄side〜




(放課後、校舎裏で待ってるよ…静ちゃん♪)

言った男の顔を思いだし
眉間にシワを寄せ、片手に持っていた鉄パイプを握る

今日こそあいつをぶっ潰す!!!


そんなことを考えながら、言われた校舎裏へと行くが
人の様子はない

なんだ、逃げやがったのか??

半ばキレぎみの頭をガシガシと掻いていると


「こらー!!!いじめはんたぁーい!!!」


静雄の後ろから、大きな声が聞こえてきた


肩くらいまでの髪に、大きな目の女の子
びしぃっと手を前にだし指を指している

が、その先には静雄だけ

「あ、れ??」


キョロキョロと辺りを見回し、あ!!、と言うと

「あなたがどうにかしたのね!!」

と静雄に近寄ってきた
そして、軽く微笑むと

「いじめを止めてくれてありがとう!!
平和島静雄くん!!」

「名前………」


「え??あぁ、君は有名だからね
それに、私の幼なじみとよくじゃれあっているらしいし」


っいうか、こいつ何勘違いしてるんだ??
いじめ??いつあった??
それに幼なじみ??
新羅か??でも、あいつには幼なじみがいるなんて聞いたことねぇし……
考えても浮かんでくることはなかった

「なぁ、幼なじみって…」


「折原臨也」


その瞬間、鉄パイプを校舎へと叩きつけ
目の前にいる相手を睨みつけたが、女は変わらず笑顔でいた


「するってぇと…あれか??
てめぇはあいつの差し金かぁ??」

「臨也の??私はただ、いじめを止めに来ただけだよ」


不思議そうな顔をしながら答える女に嘘ではないことを分かるが
思っていた答えとは異っており驚いていた

その後ろで突然現れた男たちがナイフを振り上げようとしていた


それに女が気付き、危ないっと叫ぶより速く
静雄は鉄パイプで後ろの男たちを吹き飛ばした
「ナイフってことは、あれか??
刺殺しようとしたってことだよな??」

使い物にならなくなったパイプを捨て
拳をゴキリとならす
今しがたナイフを持っていた男たちは
それぞれ散り、すでに意識はなかった

「ってことは、殺されても文句は言えねぇよなぁ」

静雄はゆっくりと1人の男に近づくと拳を振り上げた


「やめなさいッ!!!」


と、先程の女が間に割り込み
静雄の拳は止まっていた


「なッ………」

「意識がない相手を殴るのは卑怯だよッ!!!」


真っ直ぐに静雄に視線を送る少女に対して
静雄は本日2度目の驚きを見せていた


…俺の拳が止まった…??

女がわりこんできたことも予想外だったにせよ
自分の体のことの方が意外だった
こいつ…
こいつの前では、力が制御できる??
静雄の中に1つの可能性が浮かび、と同時に目の前の女に興味がわいた


「…お前、名前は」


いきなりの質問に、間の抜けた女は

「へ??あ、えっと***、******だよ
よろしく」

す、と手を差し出し女…***はまた笑顔で微笑んでいた
…あいつの幼馴染なんて、どうせろくな奴じゃねえんだ
と、思いつつも手を差し出してしまった





思えばこの時から、静雄は***を好きになっていたのかもしれない





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