薄花桜恋と呼ぶにはあまりに強く、 愛と呼ぶにはまだ未熟。 それを桜のようだと、そう言いました。 「所詮叶わないんだってこと?」 美しく咲く姿は見る人を楽しませるけれど、その散り際はあまりに儚い。 どんなに願っても叶わない恋のようだと。 「違うよ」 花ひとつひとつは小さくても集まれば大きく。 そっと下を覗きながら咲く姿はとても可憐。 「でもあんまり大きすぎて、見ているだけでいっぱいになっちゃうんだ」 ただ咲くだけならばそれでいい。 しかし桜は散り際にこそ大きく身を震わせて、その姿を見せつける。 「ただ咲いてるだけなら、桜も何にも変わらない」 散ってこそ美しい。 今はまだ大きく大きく花を咲かせているだけなんだと。 「枯れずに散らす姿が美しいから、惹かれるんでしょう?」 だから桜のように、想えばいい。 -------------------------- 桜の季節はすっかり過ぎてしまいましたが、書きかけがありましたので、一応。 うすはなざくらです。 |