虹色☆OVER DREAM!

心が騒ぎ出した。

……そっか、天爛の後ろ姿が見えたからだ。やっば、顔があっつい。真っ赤になってる気がする。恥ずかしい。
よしっ、勇気、出すぞっ!!
「てーんらっ、」
背後に回って声を掛けて、ぴくん、と天爛が反応したら、後ろからヘッドホンを取る。
「えへへ」
「詩羽か」
びっくりして振り向いた天爛は、私の顔を見るなり、安堵した表情になった。
「待った?」
「いや。……行こうか」
「うん」
校門の外に向かって、歩き出す。

どんな音楽を聴いてたのかな。どんな気持ちで、私のこと待ってたのかな。
……そんなことを考えるだけで、私は幸せな気持ちになれちゃうから、今は、そういう想像は、会えない時間の為に取っておこう。
妄想でしょ、っていうツッコミは無しだよ?

「ほら、詩羽、行くぞ」
「うんっ!!」
天爛が呼ぶ声の方へ、駆け出す。今日はどこに行こうか。
君と過ごす夕暮れが、始まる。

「ねぇねぇ、天爛、今日は実験、何やった?」
繰り返す、代わり映えのしない毎日も、君となら虹色に輝くよ。
「今日?今日は、金属イオンの系統分離を……」
……って、嘘っ、
「天爛、虹だ!!」
空に虹がかかってる!!
「お、本当だ」
しばらく天爛と虹の二重奏に見とれてたけど、思わず天爛の洋服の袖を掴んじゃってたことに気付いて、慌てて手を離した。
でもそうしたら、天爛は虹を見上げたまま、私の手を取ってくれた。
「綺麗だね」
「うん」
繋がれた体温が優しくて温かくて、鼓動がどんどん速くなる。
……この時間を止めて、永遠に出来たらいいのに。すごく幸せだよ。

さぁ、虹の向こうへ行こう。君と一緒に、君の手を取って、ね。
辿り着いたら、また私、君への気持ちをちゃんと伝えるよ。
Love you!


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bkm
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