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恋は音を立てて壊れていきました。




ある日の夜リー君から貰ったコンパクトミラーから鳥の囀りが聞こえた。パカッと開けるとそこにはリー君が写っていた。『え!リー君?』「このコンパクトミラーは僕が魔法を作ってかけてみたんだ。成功してよかった。これでいつでも名前と話せるね」『普通に校内で出会った時には話せないの?』「ごめんね、名前。けど、このコンパクトミラーのことは誰にもいってはいけないからね。」『分かった。約束、するね』そこに誰かの足音が近づいてくる。『リー君、誰か、が…あれ?』コンパクトミラーにはもうリー君は写っていなかった。カチャと扉を開く音がするとミシェルが入ってきた。「あら、名前。どう?少しは体調良くなった?」『ありがとう、ミシェル。この前よりかは全然マシかな?』「そう、それならよかったわ。あなた最近食欲ないからすごく心配していたのよ。」『ごめんね、でも今ならレモンパイが食べたい、かも。』「それじゃ、食べに行きましょう?」『ほんとに、ありがとう、ミシェル』お礼なんかいらないわ。私と名前の仲じゃない。そう言うクールなミシェルはいつみても私の目標なの。それからレモンパイをつつきながら紅茶も飲む。おいしいな、なんだか最近忙しくて久々にこんなにゆっりしたのかもしれない。「ねぇ、名前」『なに?ミシェル』「最近、あのトム・リドルとはどうなの?」トム・リドルと言う言葉に過剰に反応して少しむせる。『あー、トムとはあれから特に変わりないよ。話しかけても返事はないし、辛いことには変わりないよ。』「でも、なんでいきなりトム・リドルはあなたにこんな辛辣な態度を取るのかしら?名前がトム・リドルになにかやったとも思えないし。もしかしたら、いいえ、なんでもないわ。」『すごい気になる…』「あまり、言いたくはないのだけど、 」頭が真っ白になった。そんなは嘘だ。嘘に決まってる。けど、ミシェルは嘘つくように思えないし。『きも、ちわる。ごめんね、ミシェルちょっと、私…』走り出してトイレに向かう。食べたものを一気に吐き出す。嘘だ。嘘だ。嘘に決まってる。絶対そんなことは。



「あまり、言いたくはないのだけど、彼って新しい彼女ができたみたい」



だって。だって私はリー君の彼女…。ううん、もしかしたら、彼女だったのかもしれない。わからない。何が本当で何が嘘なのか。コンパクトミラーを開いてリー君リー君と呼びかける。けど、そこには返事すらなくて、手からすり抜けて床に落ちるミラーがぱりんと割れた音がした。



20150901