Long Journey



覚え書き:大英自然史博物館展+α



2017/04/01




 先日、『大英自然史博物館展』に行って参りました! ヒャッホー! ずっと行きたくてうずうずしていたので行けてよかった! ということで感想にもならない感想のようなものをだらだら書いてゆきます!(ガンガンに写真を載せるのでまだ行ってないって方はお気を付けて!)



 サーベルタイガーです。サーベルタイガーって名前からしてもう格好良いよね。大英自然史博物館展ね、平日の昼間に行ったんですけど、やっぱり春休みってこともあってめちゃくちゃに混んでました。まじかよ。ちょっとナメてました。ちなみにこの人間、『太古の哺乳類展』でも同じ過ちを犯しています。夏休みに行って爆散しました。あれ見に行って思ったんだけどやっぱりマンモスでかすぎ。人類あれと戦ってたの? 人類やばすぎ。そして私は話逸れすぎ。長期休暇のときに博物館に行くと、まずちびっこのパワーとエネルギーに圧倒されて精神力を使い果たしてしまう。でもちびっこの真っ直ぐな感想や疑問を盗み聞きするのはけっこう好きだったりもするのだ。変な人まっしぐら。
 というかね、骨格標本がどれもすごすぎて度肝を抜かれました。まずどうやって捕まえたの? 人類やばすぎ(そればっかり)。オオナマケモノの全身骨格とか、モアの全身骨格とか、見るとウワッとなるほど大きい! 恥ずかしながらモアという絶滅鳥の存在を今回で初めて知ったのですが、このモアって鳥のシルエットがすごく好みで……狂ったように写真を撮ってました。見に行ってね! 最高に少年心をくすぐられる見た目してるから! 大きいし! ポストカードも買っちゃったよ。モアを同定したリチャード・オーウェンと同定に使用されたモアの骨が描かれているやつ。本家のロンドン自然史博物館で売られているものみたいです。本家のグッズもいろいろ売ってたよ! 破産しかけた。
 剥製もたくさんあったんですけど、虎の剥製がどうにも郷愁を帯びた表情をしているように見えて何だか自分は少し切なくなってしまった。何故だか分からないけどあの虎の表情が忘れられない。あとキリンの頭なんかもあって、ほんとにキリンの頭なんですね、これが。ロスチャイルドのコレクションらしいんだけど、流石に趣味が悪いぞ。でも嫌いじゃない……。正気を疑うような展示品もたくさんあったので、人類がもつさながら熱病のようで狂気すら感じる探求欲とコレクター精神をここで再確認できる。ちょっと怖い。ただこれが人を人たらしめる所以だよな……こういう人たちがいたおかげで私たちは知を得ている……と思う。ガラスケースのハチドリとかゾウムシの指輪とか、綺麗とか凄いとかの前にまず鳥肌が立ちました。



 これはアルダブラゾウガメとダーウィンのペットだった若いガラパゴスゾウガメです。図録眺めてみても詳しいことは書かれていないんだけど、ペットのゾウガメが何故剥製になっているのかが最大の謎。これはこの展覧会に行く前からの謎である。そして謎は謎のまま終わるのか……。アルダブラゾウガメは推定200歳で天寿を全うしたとのことだけど、それにしてもこの子めちゃめちゃ大きいです。ゾウガメってこんな……こんなに大きくなるのか……。



 手稿とか手記とか見るとものすごくテンションが上がるタイプの人間です。人が書く文字っていうのが好きで。その書かれた文字に元々有る意味だけじゃなくて、人が手で書いた文字というものには、何かその文字の意味以外の言葉を感じる。想いとか熱とか。すごく焦ってるとか、すごく余裕があるとか、何かそういうもの。だから私も手で字を書くのは大好きだったりします。字はへたっぴなんだけどね! でもワープロを打つのも大好きなので、両方選べる時代に生まれたのは実に幸運だなって思います。脱線の鬼。



 疑惑のダチョウの卵。これは展示の説明文が面白くてにやりとしてしまいました。しかし展示されているところを見るとダチョウの卵にさえ何かやんごとならない気配を感じる……。卵に書かれた文章、こうして見ると何やら暗号みたいだ。何だかこいつだけで映画の一本でも作れそうじゃない? 『ダ・ヴィンチ・コード』的な感じで。題材にできそうな雰囲気がある……のは、気のせいでしょうか。
 そうそう、私がこれはいいなと思ったのは『微化石のクリスマス・カード』という展示なのですが、これはほんとうに浪漫を感じるものだと思うのでぜひ全人類にこの浪漫の風を感じてほしいと思った……。顕微鏡で見るスライドなんですけど、スライドなんですけどクリスマス・カードなんですよ! それ以外になんて言えばいいのか分からない……。でもこれを貰ったら嬉しすぎて心臓が止まって絶命するかもしれない……というレベルのもの。これを作ったアーサー・アーランド、最高のロマンチストなのでは? そのスライドを見る顕微鏡のコーナー、すごく混んでて2秒くらいしか見れなかったんですけど、図録には拡大図が物凄く大きく載っててありがとう図録……きみはぼくの相棒だ……という気持ちになりました。図録買ってね! すべての頁に少年心をくすぐられます。
 少年心といえばテラコッタ製ライオンはかなり響きました。1980年代までロンドン自然史博物館の屋根に飾られていたそうです。目で捉えられて動けなくなるな、これ。
 ……という感じですごく刺激的な展示物がいろいろ揃っていた大英自然史博物館展なのですが、やっぱりどう考えても混みすぎていたのであと一、二回くらいは行ってこようかなって気持ちです。呪われたアメジストとかろくに見てない。呪われたアメジストと31.5カラットのサファイアのターバン用ボタン、この展覧会の目玉だと思うんですけど、私サファイアの夜入りの空みたいな深くてけれど鮮やかな青を眺めながら、これ不二子ちゃんが好きそうだなとかアホみたいなこと考えてました。ルパン、不二子ちゃんのためにこのサファイア盗もうとするんだけど、何かいろいろあって、結局持ち帰ってきたのはサファイアじゃなくて呪われたアメジストの方で、ルパン一行はそのアメジストの呪いに振り回される……みたいな話ありそうだなとか。アホか。でもこのラインナップはルパン三世来てもおかしくないよね? アホです。
 あと強欲なのでさらっとだけど『シャセリオー展』にも行ってきました。シャセリオーは何故かめちゃめちゃ空いててよかった。『諸民族を結びつける商業』のタペストリーも後ろに下がったり近付いてみたり、ゆったりじっくり鑑賞することができました。しかしあのタペストリー、どうやって織ったんだ? ほんとうに綺麗です。シャセリオーは『コンスタンティーヌのユダヤの娘』と『カバリュス嬢の肖像』がお気に入りなのですが、どっちもポストカードが売っていて嬉しかった! シャセリオーの絵はシェイクスピア作品のペン画も好きなのですが、この人は色遣いが凄まじいと思う。すごく面白い色遣いをするのにその色に全く違和感がなくて、すごく美しいし迫力と覇気がある。シャセリオー展のチケットで常設で今展示されている『スケーエン:デンマークの芸術家村』も鑑賞できるので実によいです。スケーエン派の絵は暖かい生活のにおいがするのですっごくいいなあ。癒されます。
 と、まあひとまずこんな感じかな。スケーエン展のこと思い浮かべてたら物凄くお腹空いてきた。白パンと魚とか食べたい気分です。やっぱり休みの日は出かけてみて、いろんなものを見て帰ってくるのが楽しいなあと思う。思い浮かばないと上野か池袋に行ってしまうのだけれども! もっといろいろ足を延ばしてみたいな。せっかく定期あるもんね。何かおすすめの場所とかあったらぜひ教えてくださいな。大体いつもお腹が空いているので美味しいご飯屋さんも歓迎だぞ。
 長々と脱線に脱線を重ねた話にお付き合いくださりありがとう! 今日はこんなところにしておこうと思います。お腹空いたからとりあえず何か食べます。ではまたね!



 分かる? 買いすぎ。




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