スコール
「…さっきからなんなんだ、あんた」
「え?」
目の前にいるのは我らがスコール班長。
彼は今、自らが操る武器ガンブレードの手入れをしている。
あたしはただひたすらにそれをじっと眺めていた。
特に何を言うわけでもなくただ見ているだけ。
そんなあたしを始めこそ無視していたスコールだったけど、流石にこれだけじいいいいっ見ていれば気になったようだ。
彼は溜め息をつきながらあたしに視線をよこした。
「いや、ガンブレードって手入れ大変なんでしょ?」
「……。」
「剣だけど、銃でもあるし…ほら、銃って小まめに手入れしてあげないと燃えカスとかが原因で動かなくなるんだよね?」
「…まあ、な」
「ふふ、あたし、子供の頃からちょっとガンブレードって興味あってさ」
そう笑ってみれば、スコールは“子供の頃”という単語が気になったらしい。
気が向いたのか、話に耳を傾けてくれるようだった。
「…特殊な武器だと思うが。子供の頃に興味を持つものか?」
「あー、えっとねえ…映画。昔見た映画で主人公が使ってたんだ、ガンブレード」
「映画?」
「うん」
そう言えば、初めてガーデンでスコールを見た時…。
ガンブレードを持ったその姿に、なんとなくその映画を思い出したっけ。
構え的にはサイファーの方が似てるんだけど…。
サイファーよりスコールを先に見たからかな?
本当に、本当になんとなくあの魔女の騎士の映画を思い出した。
「スコール、その映画の主人公に…ちょっと似てる気がするよ」
「…だからどうしたとしか言えないんだが」
「あはは!まあね!うーん、結構格好いい人だったんだよ!スコールも格好いいもんね!」
にひーっと笑ってそう言ってみるとスコールは黙ったまま、また視線をガンブレードに戻してしまった。
まあ、本当、何が似てるのかはよくわかんないんだけど。
とりあえず照れてる、と前向きに考えておこうかな。
END
時期は映画撮影のラグナの夢見る前…かな。
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