ホープ
｢ごめんね…。ホープのことは好きだけど…弟みたい、って感じなんだ｣
｢……そう、ですよね｣
眉を下げて、申し訳なさそうに貴女は言った。
弟みたい…。
この人が僕のこと、どう思っているのか…なんとなくわかってた。
でも、気持ちは膨らんでいくばかりで…、だから駄目もとで伝えてみた僕の本心。
結果は見事…玉砕、した。
｢そ、そんなに落ち込まないでよ、ホープ！｣
｢す、すみません…、気を遣わせて…｣
覚悟はしてた。
だけど、やっぱりショックはショックだった。
気にしないでください、って笑おうとしたけど、それすら痛々しくみえたらしい。
だから子供っぽいんだって…自分でもわかってる。
だけどショックとか、自分の情けなさとか。
そういう色んな意味で僕の口からは、ふうっ…と小さな溜め息がこぼれた。
｢ねえ、ホープ。ホープって名前、凄く良い名前だよね｣
｢……え？｣
溜め息が空気に消えた頃、目の前の彼女は急にそんなことを口にした。
突拍子も無い言葉に僕はきょとん、とする。
｢良い名前、ですか…？｣
｢そう。だって希望だよ？｣
｢そう、ですけど…｣
にっこり笑って言い切る彼女。
その様に僕は少しだけたじろいだ。
｢希望っていうのはさ、どんな時でも諦めない。明るさを見失わない。そういうことだよね？｣
｢は、はあ…｣
混乱しながら、とりあえず頷く。
元も子もない言い方をしてしまえば、だから…？である。
それがどうしたというのだろう。
首を傾げている僕に、彼女はクスッと微笑んだ。
｢……気持ち。嬉しくないわけじゃ、ないんだよ？｣
｢え？｣
そこまで言われてハッとした。
…それって、もしかして…。
僕はまだ…貴女のこと…。
｢あ、あの…！僕、まだ…！｣
｢ふふふ、なんだか楽しみ｣
｢！｣
クスリ、と笑う貴方に、僕は確信した。
それなら、頑張ろう。
期待に答えてみせますよ。
だって僕は、ホープなのだから。
｢見ていて、くださいね？｣
END
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パルムポルムよりは後。
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