クラウド(ミニマム)
「あははは!ちっさいちっさい!」
「……。」
手を叩いて大笑い。
そんな私をむすっと見上げているのは金髪青目のイケメン君。
ご機嫌ナナメなんてなんのその。
私はニッコリそのまま彼を見ていた。
「いやあ傑作傑作。あのモンスターグッジョブだわ」
「お前な…」
「はー。ちっさいちっさい。うははは!」
「っ、やめろ!」
指でうりうりとそのツンツン頭を小突いたら、ぺしっと小さな掌で払いのけられた。
そう、小さな掌。非常に小さな掌だ。小型の犬猫の方がよっぽど強いと感じられる力。
金髪イケメンこと、我らがリーダークラウドくん。
彼は今しがた、戦闘でモンスターからミニマムの魔法を喰らってしまったのでした。
「早く街に戻るぞ。いつまでもこんな姿は御免だ!」
小さな体の小さな歩幅で街の方へと歩いていくクラウド。
私はそんな小さな背中をじっと見つめる。
追い駆けないのかって?
いやどう考えてもすぐ追いつけるし。
ただね〜こう、本当にちっさいな〜と思ったのだ。
いつも戦闘で戦陣を切ってくれるクラウド。
とっても強いから皆凄く頼りにしてる。
それは私も同様の気持ちだ。
「よいしょっと」
彼にあわせて屈めていた膝を伸ばして立ち上がる。
そうして足を動かせば、やはりあっという間に追いついた。
隣まで来てペースを合わせて見下ろす。
するとその視線に気が付いたクラウドが私を見上げてきた。
「なんだよ」
「んー?ひとりで行ったらあぶないよ?」
「……。」
「大丈夫。守ってあげるから安心しなさいな!いや〜いつもガンガン敵をなぎ倒してくクラウドを守ってあげなきゃというこのシチュエーション!たまんないね!」
「な…」
うふふっと上機嫌な笑みを見せれば彼は呆気にとられた様な、屈辱的の様な、ショックそうな…まあどれとも取れそうなそんな感じの顔をした。
まあ実際全部なんだろう。
私は非常に楽しいだけだけど。
「…そんな事考えてるのか、あんた」
「うん。クラウドが私を頼らざるを得ないこの状況。たまんないでしょ」
「……一刻も早く戻りたい」
「えー?」
うなだれ頭を抱えたクラウド。私は相変わらずケラケラ。
すると彼はそんなあたしをじっと見てくる。
私は「うん?」と首を傾げる。
なんか真面目な顔。
そして彼はこう言った。
「俺はあんたを守る側でいたい」
吐かれた台詞は意外な言葉。
目が丸くなったのがわかる。
まさかそんな風に言ってくれると思わなくて、ちょっと言葉が固まった。
END
クラウドが状態異常かかると何かテンション上がる。
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