誤解と勘違い。一目惚れと好きな人



ちょっと見直した。
やっぱりタークスは凄い奴らなのかもと。

奴らの読みは、どんぴしゃり…でした。





「は〜な〜せ〜よ〜!」

「あ、あんた、私はタークスよ!こんな事をして済むと思ってるの!?」





響き渡るユフィとイリーナの抗議の声。
しかし、それすらもニヤニヤとしながら見ているコルネオ。





「ほひ〜!いいの〜、いいの〜!新たな趣味になりそ〜じゃの〜!どっちのおなごにしようかな?ほひ〜ほひ〜!この娘にしようかな〜?」

「あ〜ッ!こんな事なら、縄抜けの修行、マジにやっとくんだったよ〜!」





縄で縛られた体をもぞもぞ動かし、なんとか抜けだそうとしてるユフィ。

…いやでも、えっと…これってどういう状況だよ…!?
遠くから見えるその状況に、あたしとクラウドは一瞬呆気にとられていた。

新たな趣味って…やっぱりあのオッサン、頭湧いてるのか?と思うのはきっと可笑しいことではないはずだ!

その状況とは…コルネオに捉えられたユフィとイリーナは…彫り込まれたあるひとつのダチャオ像の目の部分にそれぞれ張り付けにされている光景。

えと。
……これは、どういうプレイですか。





「ほひ〜!決めた決〜めた! 今夜の相手は…この元気そうなおなごだ!」

「ゲゲッ!ざけんな、ジジイ〜!マテリアも持ってないクセによ!」

「ほひ〜! その拒む仕草がういの〜、うぶいの〜」





正直…超意味不明な光景には変わりない。
でもユフィ達の身に迫る危険も健在。

クラウドが「行くぞ」と走り出したのに頷き、あたしたちはダチャオ像の手のひらの先に立つコルネオの前に立ちふさがった。





「そこまでだ!」





そう言いながら大剣に手を伸ばすクラウド。
その姿に一瞬きゅん!…とか言ってる場合では勿論ない。

コルネオは現れたあたしたちに「げっ」と、また顔を歪めた。

その歪められた顔になんとなく腹が立った。
歪めたいのはこっちだっつの!

だからあたしもコルネオに向かって文句をたれてやった。





「まだこんなことやってんの!?本当ロクでもないなオッサン!さっさとユフィとイリーナを解放しろー!」

「黙らっしゃ〜い!あれから、俺がどんなに苦労したか、お前らにはわかるまい……そう、話せば長くなるけれど…」





けど、言い返された。
…かと思えば、今度は何かヘンテコな哀愁に似たムードを漂わせてくる。

正直無茶苦茶うざい。





「うるさい!そんなもんわかりたくも無いから!」





わかりたくも無いし、聞く気もない。
長いというなら尚の事!

言葉を遮って思いっきり睨みつけてやる。

するとコルネオはいつかのような不敵な顔を浮かべて来た。





「ほひ…お前ら…本気だな。…偉い偉い。…俺もふざけてる場合じゃねえな。あの時は俺の可愛いアプスをよくも殺ってくれたな…」





…アプス。
ああ、きっと下水道で襲ってきた化け物の事か。

すると、コルネオの背後から何かの羽ばたきが聞こえてきた。





「これ以上、俺の花嫁捜しの邪魔をさせんためにも、俺の新しいペットと遊んでもらうぜ!ラプス、カムヒア!」





お前の花嫁探しとかどうでもいいわ!
つーかその性格直さない限り花嫁なんか来るわけないだろ!

心で毒を吐きつつ、コルネオの背後に現れたそれを見てギョッとした。

…ちょっと勘弁してよ…。
足場も悪いし、マテリアも無いってのに…!





「ナマエー!クラウドー!早く助けてー!」

「あああ、もうユフィ!助けたらマテリアちゃんと返しなよ!」





半分自棄で、ぴし!と指さしてユフィに叫ぶ。

…まったくもー!
そう思いながら、いつもあるはずのマテリアが足りないソードを抜く。





「ナマエ、いけるな」

「…大丈夫っす…!」





マテリアの使えない戦い。

回復はアイテムに頼るしかない。
足場悪いし、長期に持ち込んで良い事なんて一つも無い。

構えた武器ひとつ。
あたしとクラウドは、飛んでくるコルネオのペット…ラプスに剣先を向けた。








「ちょ……ちょっと待った!」

「黙れ!」





速攻を決め込んだあたしとクラウドはラプスの翼を狙った。
まず、あたしが何とか隙を作ってクラウドがとどめのブレイバーで翼を討てば、飛べなくなったラプスは落ちて行った。

我ながらアレはなかなかの連係プレイだったと思う!ふはははは!

でもって、そのブレイバーにキュンキュンしちゃってたあたしはもはや完全に病気だと思うけど、いいんだもう!

仕向けたペットをやられたコルネオは情けない声をあげながら後ずさっていく。
でも容赦なくクラウドはそれを追い詰めた。





「すぐ終わるから聞いてくれ。俺達みたいな悪党がこうやってプライドを捨ててまで命乞いするのは、どんな時だと思う?」





なんかどっかで聞いた台詞…。

ああ、そうだ。あの時も同じこと言ってたっけ。

あの時あたしは「知るか!」って即答した。
今もぶっちゃけそう叫びたい。

でも流石に2度目ですから。
学習するよ、そこは。

というわけで…とっても嫌な予感。
クラウドも思い出しているらしく、眉をひそめていた。





「ほひひ…」





こっちの怪訝そうな顔を見た瞬間、コルネオはまた不敵に笑う。
そして、手の中にあった何かをポチ…と押した。





「キャアーッ!!!!」

「「!?」」





その瞬間、聞こえたイリーナの悲鳴。

何事かと目を向ければ、ユフィとイリーナの体は逆さ吊りになっていた。

えええ!?どういう仕組みになってるの?!
なんて疑問はこの際いいとして、コルネオは更に嫌な笑みを浮かべた。





「このスイッチを押すと、このまま下に真っ逆さま……潰れたトマトの出来上がり!」





何が楽しいんだかわからないが「ほひほひ」言ってるコルネオ。

つぶれたトマトて…!
でもこれであたしたちが下手に手出し出来なくなってしまったのは事実。

するとコルネオは何故かチラッとあたしを見て来た。
そしてニヤーッと気持ちの悪い笑みを浮かべてくる。

ぞわわわ…!
あ。物凄い嫌な予感…つーか悪寒…!





「では、そっちのおなごも渡してもらおうか!その小娘、この間は邪魔が入って楽しめなかったからな…。ほひひ」

「…うっ…」

「っ…あんたなんかに、もうナマエは渡さない…!」

「…クラウド…」





あたしの前に立って、クラウドは庇ってくれた。
映ったその背中に頬が熱くなった。

えええええ!!
なにその台詞…!なにそれ!なんの御褒美!?
脳内永久保存決定過ぎるんですが…!

本当不謹慎極まりないな、あたしの脳内…!

…でも、クラウドは妙にあの時のことを気にしてくれてるみたいだ。
だからこその台詞。震えた手に気付いて気遣ってくれてる結果だ。

だから深い意味は無いんだ!
おい、しっかりしろあたし!!

そうだ、ユフィがつぶれたトマトなんて絶対駄目だろ!
じゃあどうすればいいんだろう…!

ぐっ…と動けずにいると、コルネオは高らかに笑った。





「ほっひっひっひ!最後に笑うのは、俺だったな!」





うぐぐぐ…。
なんて腹立たしい笑い声。

タックルかましてこっから突き落としてやりたいくらいだ…!

そう思ってその時だった。





「いや、俺達だ、と」





この状況にそ似合わない…やけに落ち着いたその声。





「タ、タークス!」





現れたスーツのその姿を見て顔を青ざめさせたコルネオ。

落ち着いた声は、レノだった。

そっか…。
そういえばコルネオがアバランチのことを探ってたのは神羅が絡んでたんだっけ…。
つまりコイツは神羅と繋がりがあったわけだ。

レノはコツコツ…と静かにコルネオに近づいていく。





「お前が秘密を漏らした時から決まっていたんだ。俺達の手で葬り去られるとな、と」

「え、ええ〜い!こうなれば、道連れだ!…ほひっ!?」





自棄になったコルネオは手元にあるスイッチを押そうとする。
それを見てあたしは「あっ!」と焦って声を漏らした。

でもその心配はすぐに消えさる。

ひゅっ…と何かがコルネオをかすめた。





「ほひーーーー!???」





それにバランスを崩したコルネオはふらつき、崖から足を踏み外した。

何とか手を掛け落下は免れたみたいだけど。
あれじゃ時間の問題だ。

ちなみに問題のスイッチは崖の下へ落ちてしまった。





「いいタイミングだぜ。ルード、と」





え、ルード?
レノの言葉を聞いてルードを探せば…確かに居た。

少し離れた場所から、ルードがコルネオの足元を狙ったらしい。
あ、やばい。ちょっとあたし今物凄い感心してるかも。





「さーて、コルネオさんよ。すぐ終わるから聞いてくれ、と」





レノは落ちそうになっているコルネオに近づき、掴んでいるその手を踏みつける。

…うっわ!鬼畜…!
少しだけ思ったけど、まあ相手はコルネオだから同情の余地は無い!





「俺達が奴らと組んでまで貴様を追いつめるのは何故だと思う…?、と」





1、死を覚悟したとき
2、勝利を確信しているとき
3、何が何だかわからないとき

それはコルネオ十八番の選択肢。

コルネオはビビりながら、恐る恐る答えた。





「に、2番ですか?」

「どれも不正解、と」

「や!やめ…!ほひいいいぃぃぃぃぃ……」





レノは踏みつけていた手から足を離すと、なんとも気の抜けた叫びをあげながらコルネオは崖の下に落ちて行ってしまった。

こ、これは…なんというか…で、出来る…!
とか頭に過った…。





「正解は、と」

「……仕事だからだ」





選択肢になかった本当の答えをルードが静かに答える。
その時、縛られたままのイリーナが嬉しそうに声をあげた。





「あ、ありがとうございます。先輩…!まさか、助けに来てくれるなんて…」

「イリーナ。甘えるなよ、と。お前もタークスの一員なんだぜ、と」

「は…はい!」





目の前で繰り広げられるタークス美学。
それを見ていると、レノの胸ポケットから電子音が響いてきた。





「はい……レノです、と。はい……はい……直ちに、かかります、と」

「か、会社からですか?先輩…」

「そう、クラウド達を捜せとな、と…」





PHSを胸ポケットにしまいながら、ちらっとレノがあたしとクラウドを見る。

利害の一致はもう終わった。
…と言うことは、ここからは敵同士…?

あたしとクラウドが身構えると、ルードがレノに尋ねた。





「仕事か…?」

「いや、今日は非番だ、と」





非番…。
その言葉に緊迫が解ける。

レノは「戻ろうぜ」とルードに呼びかけ歩いていく。
そしてすれ違い様、こう言われた。





「ナマエ。俺に惚れたか?」





相変わらずふざけてる。
やっぱレノはレノじゃん。

あたしは、べーっと舌を出した。




「…ぜーんぜんだぞ、と」

「そりゃ残念だぞ、と」





それを見て、レノは楽しそうに笑ってた。

…だけどこの件で、ちょっとだけタークスの印象が変わったのは事実だった。
ひらひらと手を振りながら歩いていくレノの背中が、ちょっとだけいつもと違って見えた気がした。














「へー、そんなことがあったんだー」





あの後、ユフィを助けたあたしたちはマテリアを回収し別行動をしていたレッドXIIIとヴィンセントと合流した。

もう用は無いんだけど、この大陸にタイニー・ブロンコは無い。
つまり他の情報収集組と合流するまであたしたちはこの大陸を出られないわけで。

だからウータイで宿をとった。

畳だし、布団だし、宿も独特の雰囲気。結構好きだなー、これ。
だからウータイで一泊できるのは結構嬉しかったりした。

そんな事を片隅で思いながら、事の経緯をレッドXIIIとヴィンセントに説明していた。





「これに懲りたら、もうマテリア盗もうなんて考えないでよね!」

「ううん、いつものアタシならあんな奴ら、バシバシバシッ!と片付けちゃうんだけどさ。ホント、あのコルネオってとんでもない奴だね〜」





咎める目でこの事件の発端娘を見やれば、奴はケラケラ笑ってた。

…まったく反省してねえよ、こいつ…。
そのユフィの態度にあたしとレッドXIIIは呆れて息をついた。

ヴィンセントはひとりお茶をすすっている…。

……やだ、なんかおじいちゃんに見えるのは何故…!?
いや、心の中でとどめておくけどね…!





「でもさー、なんでそんなにマテリアに執着すんの?」





この際だったし、なんとなく聞いてみた。

ユフィの物欲…ていうかマテリアへの執着心は半端じゃない。
それは前から気になってた。

本当に何気ない質問。
でも返ってきたのは意外な反応だった。





「…ナマエはさ、このウータイ見てどう思う?」

「どうって…?」




ユフィの声は静かで、目も真剣。
でも少し寂しそうにも見えた。





「…小さい頃から聞かされてた。あたしが生まれる前のウータイはもっと賑やかでもっと強かったって。…でもこれじゃさ、これじゃただの観光地だよ…。戦に負けて、平和を手に入れて、でも、それと一緒に何かを無くしちゃったんだ。今のウータイは」





何年か前…ウータイが神羅と戦争してたのは有名な話だ。
終結した時、あたしはまだ子供だったからそんなに詳しくは知らないが。

でもユフィにも何か思うことがあるんだろうな。
最も「なーんてね!」なんて誤魔化すように笑ってたから真意は掴めないけど…。

まあ…今回のお咎めはこのくらいにしといてやるか。
…こっちもマテリア無しの戦闘とか続いて疲れたし。

ちょっと落ち着こうとあたしは湯のみに手を伸ばした。
するとその時、ユフィが何故かニヤリと笑った。





「ねーね、ナマエってさマジでクラウドのこと好きなの?」

「ぶふっ!!!!」





なんの脈絡も無い状況でのとんでもない質問。

あたしは思いっきり茶を噴き出した。
それを見たレッドXIIIが「ナマエ!?わああああ!!」と混乱気味に拭くものを探してくれた。
……すまんね、レッドXIII…!!

つーか…!
何を言い出す!この忍者娘…!!!





「いきなり何!?」

「だって前にエアリスが言ってたじゃん」





軽く睨みながら吠えた。
いやユフィ、まったく動じてないけど…。

…エアリスが言ってた…って。
それは多分ジュノンでの会話だろう。

人工呼吸に嫉妬しただのって話…否定しても聞いてくれなかったエアリス。
アレをユフィにも聞かれてたっけか…。





「クラウドも今居ないしさー?で?どーなのさ?」





そして当のクラウド。
ユフィの言う通り、彼は今ここに居ない。

彼は頼りになるリーダーだ。
アイテムなんかを揃えるためにひとり買い出しにでてくれている。
うん。本当頼りになるね。

…でも、だからってなあ…!





「べ、別に…!あれはエアリスが話聞いてくれなかっただけだから!」





あたしの口から出るのは否定の言葉だった。

いやいやいや、本当は真逆ですよ!?
姿見るだけで「あああ、だいすきだなー」とか思ってるよ、本当は!

けどやっぱりなんか恥ずかしいんだよ…!
一緒に旅してるわけだしさ…。うん、これは認めるの無理…!

そうブンブンと首を振ってると、レッドXIIIも話に入ってきた。




「ええ、そうなの?オイラ、いい雰囲気だと思ってたのに」

「…ちょっとレッド、あんたまで何言い出すんだ」

「オイラ、クラウドとナマエと一緒に行動すること多かったでしょ?クラウド、ナマエのこと好きなんじゃないかなーって思ったよ?」

「なんっ…!?」





唖然。

ああ、空いた口がふさがらないわ。

クラウドがあたしを好き!?
なにそれ!?どゆこと!?どうしたらそうなるの!?





「はあ!?何を根拠に君はそんなことを言ってるんだい?!なにをどうしたらそんな考えに行きつくの!?ええ!?」

「えええええ!?そ、そう言われると…なんとなくとしか言えないけど…!」

「そりゃそうだ!」





ありえるわけがない!
そんな勘違い、クラウドも良い迷惑よ!

「ふう」と一息。
クラウド安心してよ…!ちゃんと誤解は解いたからね…!

ひと段落したところで今度は茶をすすってたヴィンセントとふと目があった。
ん?と首をかしげると、彼も彼で宿敵だった。





「そうか…、ナマエはクラウドが好きだったのだな」

「話聞いてた!?」





えええええ??!
この人何聞いてたの!?

あたしはまた一から誤解を解くことに励んだ。
ええ、そりゃもう頑張ったよ!





「…違うのか」

「そうですよ…」





ああ。疲れる…。
まったくなんなんだ…この人たちは。

そんな様子に、事の発端ユフィちゃんは唇を尖らせていた。





「別にそんな否定することないじゃんかー。クラウド顔良いし」

「…世の中顔だけじゃないでしょ」





いや、クラウド優しいけどな…。
……実際、顔もドストライクだが…。

…………顔、か。
その時、ふと思い出した。

…クラウドとは違う、緑色の目を。





「まあ…クラウドは、あたしの初恋のお兄さんに似てるんだけどね」

「え?」





ぼそっと呟けば、ユフィとレッドXIIIは目を丸くしていた。

ヴィンセントは急須からお茶を注いでる。
…気に入ったのかな、そのお茶…。なんなら買ってくか…?





「…5年前だし、ほんの数分の話だけどね。エアリスが勘違いしたのは、たぶんそれが関係してると思う」





そういえば、知ってるのはクラウド自身と、あとティファとエアリスくらいか。

あたしの中にあるキラキラの思い出。

でもこんなに詳しく話したのは初めてかもしれない。
なくした財布。鳥が巣に持って行ってしまってたこと。それをお兄さんがとってくれたこと。手を滑らせて落っこちたこと。





「なにそれ?ナマエって単純ー」

「う、うるさいな!」

「ていうかそいつダサいね、手すべらせて落ちたって…」

「ちょ!あたしはともかくお兄さんのこと馬鹿にするなー!あたしには超ヒーローだったんだから!セフィロスなんかよりずっとずっと英雄だったね!」

「やっぱ単純じゃん」

「ユフィうるさい!」





たぶんレッドXIIIもユフィと同じように「単純だねー」とか思ってるだろう。そんな顔してる。
…ヴィンセントはさっきの件から見てもうよくわかんないけど…。

…単純だなんて、よくわかってる。
単純で、ていうかアホ丸出し。

財布見つけてもらって英雄って…大袈裟にもほどがある。

でもそう思っちゃったんだもの!
思っちゃったもんは仕方ないじゃないか!


ていうか…そもそもあれは…一目惚れ、なわけで。

…一目惚れって難しいよね。
見た目が好み、とか…そうだったからじゃなくて。

でも一瞬で好きになる。

何がって…うまく説明できない。
でも、本当の気持ち。

…理屈じゃない、からなあ…。

……初めての恋。でも…。





「とにかく、ユフィが聞きたい様な話はそのくらいです!」





なんだかむず痒くなって、適当に打ち切った。

そのうちまたクラウドの話に戻されそうだし!
ていうか、そんな両想いなんミラクル起こるかっちゅーの!

なんか言ってて虚しくなるけど…!
ヤケクソ気分で、あたしはグイッと湯のみの中身を飲みほした。



To be continued


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