今日の献立:運命の赤い糸




本日、俺は結婚した。明後日には式を挙げる訳で、そう、とてつもなく忙しかったがようやく落ち着いて一緒に役所のほうに行って薄っぺらい紙にお互いの名前書いて、みたいな。まだ実感沸かないけど結婚したんです、俺等。学生時代には女泣かせとかヤリチンとか馬鹿野郎とか…馬鹿野郎ってただの暴言じゃないかなんてことは置いといて、散々女関係で周囲に悪いイメージ持たれてたけどそんな俺が名前と一生を共に生きようと決意できたのは名前が他の女と、というか他の人間と少し違うから。ほんと、名前と出逢えたおがげで一生分の運を使い果たした気がしてこれからとんでもない不幸が訪れるような気がする。まあ、名前と一緒ならどんな不幸でも乗り越えられると思うんだよ。とにかく名前はすっごい奴。浮気したら許さないけど名前は絶対しない。勿論俺も浮気しない。あれだし、指切りしたし。浮気したら針千本だもんね。ていうか丸井にもほんと感謝しないとな。大学のコンパで出逢った名前とうまい具合に協力してくれたしな。しっか
しあの時の俺は名前を見るだけで息ができなくなってたし。すっごい格好悪い。だけど今は見つめ合えばお互いの心が通じあう、以心伝心とでも言おうか。お互い解らないことなんてないんです。ピロピロン。あ、名前からメールきた。仕事頑張ってね。早く帰って来てね。よし、ちょっくら車ぶっ飛ばして帰るか。ほんとは残業なんだけど早く帰って吃驚させてやろう。そうだな帰ったら子作りでもしようかねえ。子供は3人欲しい。男男女だな。うん。娘が出来たらきっと、いや、絶対門限作るだろうなあ。勿論俺が。娘に彼氏出来たら速攻別れさせる。けしからん。もし、娘さんを僕にくださいなんて言われたらぶん殴る。あれ、よく名前の親父さんは俺を許してくれたな。あー、ようやく家に着いた。鍵を開けようとしたとき、我が心の友が出てきた。


「おー!早かったんだな!名前ちゃん待ってんぜ」

「え、ブンちゃんなんしよったん?」



名前ちゃんの手伝い、と笑うブンちゃん。ブンちゃんが手伝うといったら料理しかないだろう。玄関に入ると良い香りが…!しない…?え、良い香りがしない……だと…。靴を脱いでリビングに向かうが名前は居らず、風呂場からシャワーの音がした。ああ、晩御飯は名前って訳ね。そうときたらベッドメイクをせねば。シーツの皺をピンっと伸ばし、枕を整える。あれ、毎朝シーツは綺麗にしてるはず。そしてあるものに気づいた。


枕に赤い髪の毛?


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