4月30日 [11]
気が付けば私は元の場所で立ち尽くしてた
でも、さっきのことは現実
これだけは明確だった
試しにヒュドラを呼び出して…
「闇を司りし精霊、ヒュドラよ
契約に基づき、我に力を…!」
というか、誰もいない場所でこんなことしてるって…
まぁ…魔法とか実在しちゃってるような世界だし
「闇を司りし精霊、ヒュドラよ
我に憑依せよ…!」
教えてもらった纏いという魔法を使う
普通にできる
私の目と髪は闇を表現するに相応しい暗い紫に変化し、体全体から闇のオーラが放たれた
危ないからここで能力解放するのは控えるけど、纏いの間はその精霊が住む世界を一部、こちらに転移させられるらしい
「あれ?
澪ちゃん、髪の毛染めたの!?」
あ、見られた
「目まで!?
どうしよう…澪ちゃんが闇落ちしちゃってる!?」
とんでもない誤解が…
「目を覚ますのよ!」
肩を掴まれてガクガクと揺さぶられる
さすがにこうされ続けると…
闇落ち設定もおもしろそうだったけどさ…
「落ち着いてよ、さつき
ただの魔法の効果みたいなものだから、元に戻せるって…」
「え?そうだったの?」
「さつきは過剰反応しすぎだって…」
うん、本当に過剰…
「だって心配で…」
「あはは、心配してくれてありがと」
この魔法…
今度、少し遊んでみるか
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