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「なんてこともあったよねー」

2人きりになったアジトで、そんな昔の話を思い出していた

「……あのあと、結局怒られたよな」

「まぁ、そうだけどさ〜
でもさ、今となってはいい思い出って感じだよね
あの時に、キドは僕に惚れたんだっけ?」

「……うるさい」

顔をそむけ、ふてくされてみた俺の頬はあの時と同じように赤く染まっていたと思う

「僕はそれよりずっと前から、好きだったんだけどな〜
全然気づいてくれないんだもん」

「…ずっと前っていつからだ」

そんなの初耳だ

「ん〜…秘密にしとくよ
簡単に言ったら面白くないしね」

カノは目を閉じ、澄ました顔をして言った
さっきの俺と対称的な表情は俺を少し苛立たせた
そのすまし顔、どうやって崩そうか

「ていうかさ、さっきからキド真っ赤…んっ」

俺はカノが言いかけた言葉を遮るようなタイミングで、カノの唇を自分の唇で塞ぐ
次に目を開けた時、カノはさっきの俺と同じ真っ赤な顔をしていた