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つかの間、俺の思考が止まった
だが、すぐにカノが抱き着いてきたのだと気づく

「お願いだから僕達に心配をかけるような事はしないで…
なんかあったなら相談してよ…」

カノが珍しく真面目な顔で言った
だが、カノの真面目な顔にはどこか威圧感があり、俺は無言で頷く事しかできなかった…

「キドはいつも1人で無理をするからさ………
たまには人に頼っても…人に甘えてもいいんだよ?」

そう言い、カノは俺の頭を撫でる
いつもなら、脇腹に蹴りをいれるところだ
でも、何故か蹴りをいれたいとも思わなかった
その代わり、俺の目からは涙が溢れてきて、ポロリと床に透明な雫が落ちていき弾けた
カノは何も言わず、俺の頭を撫で続けている
…俺は決心し、1つ1つ言葉を紡いでいく

「私は…みんなと…対等でいたかった……
強くなりたかった…なのに…」

今までカッコつけて俺って言っていたはずが、自然と私に戻っていた…
カノは俺を抱き締め、撫で続けていた
………ここから先は言葉が出てこなかった
すると、カノは

「言いたくないなら言わなくてもいいし、言えないならそれでも構わないよ…ただ…」

俺はふと、顔を上げる

「キドにどんなことがあろうと、キドが望むなら僕は対等に接し続けるから…」

「……………」

俺は思わず黙り込んだ

「それと…キドは十分強いと思うよ?
僕は強いキドも弱いキドも…どんなキドも大好きだけどね」

カノはそう言い、頬にキスをした

「まぁ?キドは僕の事をどう思ってるのかは知らないけどさ?
あ、返事はいつでもいいからね?」

しばらく呆然としていたが、意味を理解すると同時に俺は赤面した
俺がカノの事を意識し始めたのはいつだったか…
そこまでは覚えていないけど…
俺はカノの事が大好き…
それは変わらない…
それで、カノは今俺の事を大好きだって…
つまりは両思いという事でいいのか…?
なら、今ここで…返事をしてしまおう…

「俺も…カノの事…嫌いじゃないから…」

むしろ大好きだから…


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