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時は残酷だと、俺は思う…
赤い滴が糸となって流れ出していく…
みんなは祝福した…
何が祝福だ…
俺は…みんなと対等でいたかっただけなのに…
時はそれすら奪ってしまった…
俺は調べた
何とか止める方法を探そうとした
女という弱い存在だと、認めたくなかったから…
強くなりたかったから…

「よし、アジトには誰もいないな…」

髪から滴る水…
水の中で紅い糸を引く俺の血…
氷水だ…
季節は真冬…
外では雪が降っていた…
体が寒さで震える…
一歩間違えれば凍死するだろう…
それでも構わなかった…
アイツらと対等にいられないなら…俺は死を…
意識が朦朧としてきた…
手足の感覚もだんだん…
今までの思い出が…嗚呼、これが走馬灯というやつなんだな…
そんなことを考えつつ、俺は意識を手放した



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