君が残した僕は消えちゃった
尻尾の下の嘘つき屋さん
囚われない寂しがり屋と終わらない心音
指を這わせた濃密時間の解脱
壊して潰した僕を下さい
リセットの効かない恋患い
あの子のオシマイはすぐそこで
注ぎすぎた愛が消滅を呼ぶ前に
いつか解凍する僕を抱き締める為に
愛されない生き物を逸脱した君へ
止まらない僕と薄ら笑う君の悪魔
溶ける僕さえ君は知らない
失意の死神はあの子を置いていったらしい
君の身体と僕の早鐘
愛慾の酸欠
オリオンは君に堕ちていった
胡麻和えハニー唐辛子風味
シロップ漬けダーリンの丸焼き
陶磁器の様な君をグラスに注いで人差し指で掻き乱すの
僕の欠片が求める君はいない
爪先立ちで見下ろす破壊神
その肉を切り刻んで僕の直腸へ流し込む
桜の彼方に転がる骸
日暮色の蝉時雨
前のめりな世界とおいてきぼりの透明
君はもう僕ではなくなった
水面下で愛を殺せ
横斜する世界を駆け往く翼
嘆く心臓は幼児より硬く
アスファルトに落っこちたギヤマンは僕の汚物をぐにゃりと担ぐ
原子で構成された君は愛せない
その笑みに抱き着いて天門へ左遷
きっとこれが僕から君へ投げる最期の肉声なのであるから
自惚れと君の狭間にて
君の体液は僕を犯すよ
飛び出した路地裏に繋がる君の十二指腸
ここから先は魂と引き換えに
僕の魂を君にくくりつけたの
味わう度に君を好かう
その目はもう僕の中身だよ
遣われない嘴を硬い頬骨へ受け入れた
灰皿に跨がる塵にて疾駆
蹲って恋を知る
静止画の笑顔はもう僕の目玉を照らさない
アイに毒され君に蕩ける
時効に歩み寄る聖徒
燃える月見草に重なる幻影
こいびとになってみましょう
途切れた記憶に絡まる恋人
どうやら僕は生きているようだ

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