しばらくジェイドの顔を見てボーッとしていたが、何かに気付き一気に顔を朱色に染めた。それを隠すように、布団を頭まで被る

あまりにも素直な反応に、ジェイドは堪えきれずに吹き出した

「わ、笑うなっつーの!!」
「失礼。相変わらず嘘が付けない方ですね。昨夜のこと、全部覚えているのでしょう?」

ジェイドの言葉を肯定だとばかりに、赤い顔を更に赤くした。頭から湯気でも出そうなくらいだ

「だぁぁぁぁ!!忘れろ、今すぐに!」

本当に覚えているようだ。酔うと記憶を無くすこともあるが、しっかりと残っているらしい。本人にしたら、忘れたかっただろうが。ジェイドにしたら好都合だ


「それはすみません。記憶力はいいもので、しっかりと覚えていますよ。あ、何なら一から十まで貴方の言葉を教えて差し上げましょうか〜?」
「いらねぇよ!!んなことしなくても、しっかり覚えて……」

今更口を抑えても、もう遅い。しっかりと聞こえた。意地悪くニヤリと笑うとルークは悔しげに睨んできた


「すっげームカつく!」
「すみません、根が正直なもので。嘘が付けないのですよ」

ルークは疲れたように、それが嘘じゃねーかと呟く。反論する気も失せたらしい

「それだけ元気なら、二日酔いの心配はなさそうですね。起きれますか?」
「……腰が痛い」

ムスッとするルーク。まぁ、そりゃそうだろう。朝方まで離さなかったし

動けなくした張本人は、それは大変ですね、と他人事だった

「夜には動けるようになるでしょうから、デートしましょうか」
「は……?」
「イルミネーションにどこかの誰かさんが力いれてますからね。見応えはあると思いますよ?勿論、ルークがよければ、ですが」
「い、行く!行きたい!!……でも、いいのか?仕事、とか。それに、男同士だし……」

また、ネガティブモードになりそうなルークの額をデコピンする。いてぇ、と非難が飛んでくるが、ジェイドは何のその。しらっとしていた

大体、何度目になるというのか。いい加減に自信を持ってほしいし、自分の気持ちも疑い過ぎた。そりゃ、顔に出ないから、余計不安がらせているのは理解しているが。それにしたって、もう少し信じてくれてもいいだろうに

「男同士だろうと何だろうと、私は貴方と恋人であることを恥ずかしくありません。それに、言ったでしょう?仕事は貴方と過ごす今日の為に、全て終わらせてきました」

瞳を揺らすルークの頭を撫で、安心させるように言葉を続ける。この鈍感な恋人は、何度も言わないと分かってもらえないようだから


「だから、寂しいなら寂しいと、傍にいて欲しいなら、そう言いなさい。困らせてもいいから、他の男にじゃなく、私に言って下さい。ルークの口から聞きたいです。言っておきますが、迷惑なら最初から、こんなこと言いません」

泣き出しそうだったルークの瞳から、ポロポロと雫が流れ落ちる。嬉しいのやら何やら、色々な感情が出てきたのだろう

止まらない涙を親指で、優しく拭う。抱きつこうと伸ばしてくる腕。ジェイドもまた、ルークを抱き締めた。これで、少しは安心してくれればいい

ルークには、泣き顔よりも、笑った顔の方が似合うから。そんなこと、本人には言わないけども


「うめぇ!」

落ち着いたルークに、先程持ってきたケーキを渡した。美味しそうに食べるルークの、口端についている生クリームをペロリと舐める

「な、な、な、な!?」
「ふむ。あまり甘くなくて食べやすいですね。おや、どうしたのですか〜?顔が真っ赤ですよ?」

分かっていて言うジェイドに、ルークはキッと睨んでくる。が、口では勝てないと思っているのか、ケーキを口に含むことで言いたいことも飲み込んだらしい

「ホント、お前って意地悪いよな!」
「おや、そうですか?鬼畜やドSとは言われたことがありますが」

主にルークやガイに。後はピオニーにも言われたことがあるような気がする

「その意地悪い人間が、好きなんでしょう?」
「……うっせ」

ぷいっと横に首を振るルークの耳は、真っ赤になっていた

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