ジェイド×ルーク編@
「あのな、ルーク。オレ、ピオニー先生と恋人になったんだ」
ヘヘヘ、と笑うルゥにルークは自分のことのように嬉しかった
「良かったな、ルゥ。おめでとう」
「ありがとう、ルーク!」
本当に嬉しそうに笑うルゥはとても可愛い
昔からモテていたルゥ。その中には変態やストーカーなんかもいた。そいつらからいつも可愛い双子の姉を守っていた
だが、もうその役目はピオニーのものになったのだと、いくら鈍感でも分かっている。それが少し寂しいなんて、ただのワガママだろう
こんな嬉しそうにするルゥなんて、いつぶりだろう
いつも短気なルークをフォローするという苦労をかけてしまっている。自覚はしているのだが、中々性格というのは一朝一夕には変えられない
ルゥを見ていると、ピオニーと婚約をしたのは間違いではなかったのだと、心からそう思う
だが、目の前で繰り広げられるバカップルに、ルークは呆れ顔だった。いくらここが科学準備室とはいえ、誰に見られるか分からないというのに
「んー、ルゥは抱き心地がいいな」
「ちょ…っ!?ピオニー先生…っ!」
「二人きりのときは先生はいらないって言ったろ」
いや、目の前にルークもジェイドもいるのだと言ってやりたい。でも、とルゥが顔を真っ赤にしているのを見て、ピオニーはデレデレしている
見ていて気持ち悪い
あんな奴のどこがいいのだとルゥに聞きたいが、返ってくる答えなど全部!と惚気られそうだからパスする。この光景を見ていると、ピオニーとの恋を応援したのは早まったかな、ともう後悔してきた
「人の恋路など興味ありませんが。私達もああなりませんか?たっぷり可愛がってあげますよ?」
何故かソファーに座るルークの隣に腰掛けるジェイドは肩を抱き寄せようとする
「誰がてめーなんかと!!死んでも嫌だっつーの!」
近づいてきた顔を両手で押し戻す
「おや、残念です」
ふんっ、とルークは立ち上がって部屋から出ていく
そんなルークを背後から抱き締めて、ジェイドは耳元で囁く
「安心して私に落ちて下さい。一生、面倒を看て差し上げますよ」
「だっ!誰がだ!!」
ふざけんな、と怒鳴るルークを、物影から睨む人影があった
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