青空レモンティー
◇ゆびきり [1/2]
『いいんですか?ご馳走になっちゃって…』
「気にすることないネ」
「そーですよ、たまにはいいじゃないですか」
「早く食え、神楽に取られるぞ」
『い、いただきます…!』
万事屋メンバーに勧められ、おそるおそる箸に口をつける。
前回なんやかんやで万事屋に遊びに行くことになって、神楽の希望で夕飯までご馳走してもらうことになったのだ。
『あ、美味しい!』
口に入れた料理は思いの外美味しく、思わず目を見開いてしまうほどでした。
「当たり前だろ、銀さんが作ったんだからな」
「まぁ銀さんはこうみえて器用ですからね」
「それしか取り柄がないけどな」
『うん、普段はただのちゃらんぽらんなのにね』
でも、ホントに美味しい。 箸が進んじゃう。
「彗、これもらうネ」
『あぁ!あたしのご飯んん!』
「ケチケチすんなヨ〜」
「こら神楽ちゃん」
「うっせーなダメガネ!こっちは成長期なんだヨ」
『あたしだってまだ成長期だもん』
「っせェよお前ら夕飯くらいで」
『くらいじゃないネ!食卓は戦場アル!!』
呆れる銀さん、苦笑いする新八、はしゃぐ神楽。 たった4人でご飯を食べるだけなのに、すごく楽しいです。 こんなに楽しいのは久しぶりだなあ。
『「「「ごちそーさまでした」」」』
楽しいの食事も終わり、皆で手を合わせた。
『ホントに美味しかったです!有難う、銀さん』
「おぅ」
「また遊びに来るヨロシ!」
『うん!今度はあたしが作るよ!』
「え、彗さん料理作れるんですか?」
『や、全然』
「なんだヨ」
『でもお菓子作りは出来るよ!』
「マジでか!」
ガタッと音を立てて立ち上がったのは銀さん。 神楽や新八もびっくりしてる。
そりゃそうだよなあ、なんせ生まれてこのかた料理出来そうなんて言われたことないからね。 確かに出来ないけどある程度のものなら作れるのに…。
「今度万事屋来るとき持ってくるアル!」
『え?うん、いいよ』
「お前っ言ったからには必ず持って来いよ!絶対だからな!」
『は、はい…!』
なんだかまた妙な展開になってきたぞ…。
そう思っていたとき、電話が鳴った。
「彗さん、出てください」
『え、あたしが?』
「この電話、沖田さんじゃないですか?」
『あ』
そういえば、沖田さんが迎えに来るんだった。
知ったときはすごくびっくりしたけどよく考えたらそんなに驚くことでもなかったね。
『もしもし』
《オイ電話は1コール以内に出ろって教えただろィ》
『すみません、無理です。あといつそんなこと言ったんですか』
《……あの日でィ》
『だからあの日って何!?』
あ、いつもの調子で話してしまった。
《とにかく5秒以内に来い》
『が、頑張ります…っ』
受話器を戻して、万事屋の皆にお辞儀をした。
『神楽、誘ってくれて有難うね』
「おうヨ!」
『銀さん、ご飯美味しかったです』
「また来いよ」
『はいっじゃあお邪魔しました!』
「ちょっと僕はァァァ!?」
新八のツッコミは無視して神楽に手を振る。 また遊びに行くと約束して万事屋を出ました。
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