*
12/58

「「(ポケモンと話してる!?)」」

「あ、あのさ、君…ポケモンの言ってることわかるの?」
怖ず怖ずと僕が聞くと、

「え?…あぁ、はい。わかりますけど。」
と至極あっさりとした答えが帰ってきた。

『あのね、普通の人は僕らのいってることはわからないんだよ。』
だから、お姉ちゃんはすごいね。と少し悪戯っぽい表情で笑った(といっても端からみればゴロゥゴロッと鳴いているようにしか聞こえないが)。

「じゃあじゃあ今この子なんて言ったの?」
興味津々といった様子でハルカが少女に聞いた。

「普通の人は僕らのいってることはわからないんだよって言ってます。」
少女はえーっと…普通はわからないものなのですか?と不安げに瞳を揺らして僕らに問いかけてきた。

「うん。だから、君が悪い奴らに捕まったら…」

「ばれたら即、研究材料ですかねぇ…」
困ったと言わんばかりに眉を八の字にさげて苦笑いを漏らす。

と、その時だった。
草むらをかき分ける音と数人かの争うような声が聞こえた。
こういう時に限ってイヤな気しかしないのはハルカも同じ様だ。耳を澄ませるとどうやらマグマ団員とアクア団員が争っているようだった。……しかも、この少女の能力までばっちりバレているらしく、明らかにこの女はマグマ団で保護する!だとか、いやアクア団がもらったぁ!とかいう声まで聞こえてきた。危ない。これは非常によろしくない気がする。

「ハルカ、ダイゴさん家まで行くよ。」
言外に乗せていってね、と言い僕はオオスバメを、ハルカはチルタリスを出す。
「トクサネシティまでいってくれ。」
その間に僕はダイゴさんに事情説明するためにポケナビを開いたのだった。

 

  back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -