緑ノ国の少女



『平和の為』ずっとそう言われて育って来た。


私は…いや、俺は革命へのいけにえ。



「あら、はじめまして?」



青の王子がお忍びで街に来ると知った兄に、偶然を装って会って来いと言われる。


革命の戦力を得る為に



「それじゃあ、私はこれで。」



作り笑いは疲れる…

後は今度開かれる茶会にお手伝いとして入って、それから王子に… やる事が多くて嫌気がさす



「潤斗はここで待ってて、すぐだから」


「分かったから、早行って来んしゃい」



こんな嫌な時に… 何処のリア充カップルだ。


声のした方を見れば、藍色の髪の奴が店に入って行き、銀髪の奴が荷物を持って外で待っている所だった。



「………」


「………」



こっちがずっと見ていたせいか、銀髪の奴と目が合った。


まだ観察っぽいのも続けたかったし、そのまま見ていれば、銀髪は顔を赤くしてプイッと顔を背ける。

うわっ、何アレ可愛い…



「ねぇ、さっきの彼女か何か?」



話し掛ければ、少し戸惑いながらも兄だと告げた。

…え、アレマジで男ぉ?!


それからは不思議と馬が合って、自然と心から笑えた。心から笑うなんて、何年ぶりだろう…



「じゃあ、私はもう帰るね」


「ああ、ありがとな」


「ふふっ、今度会えるのを楽しみにしてるね、潤斗」


「俺もじゃき、邑」



潤斗が呼ばれて、店に入って行くのを見てから歩き出す。


心臓がドキドキ言ってる… これが恋って奴なのか?


店から数十歩歩いた後に店の方に振り返れば、潤斗の兄らしき人物がこっちを睨む様に窓から見ていた。

アレは、嫉妬の目だった。




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