黄ノ国の召使



「お金が無い?なら国民達から絞り取れば良いよ」


「反逆者?粛正しなよ」



この国で、精市の言う事は絶対。


この国は…否、精市は前までは違った。

変えてしまったのは今はもういない父と母、そして周りの国々。


この国が貧しくなってきた頃、父と母は責任を逃れる為にまだ物心さえついていない精市を王にした。

そんな事をすれば周りの国々に批判や攻撃を受けるのは分かっていたはずなのに、それでも精市を王にし続け、裏から操った。


数年前に父と母が死んだ。周りの国々も歳を重ねてきた精市に、批判の声も少なくなってきた。

これで精市を縛る物は無くなった。でも、喜ぶには遅過ぎた…



「潤斗、俺今度の茶会であれを着て行きたいな。ほら、この前作らせた服、あれにもう少し宝石とかを散りばめてさ」


「了解じゃ」



幼い頃から精市を縛っていた鎖は、今は精市を暴君と化している。


俺が精市より先に生まれれば良かった。

そうすれば、精市はもっと…




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