白金パロ


 ―前回までのあらすじ―

気が付いたら金・銀での最初の町(名前忘れた)に居た潤斗と邑。
研究所で最初のポケモン、チコリータとヒノアラシを貰った2人はとりあえず元の世界へ戻る為に旅に出た。
旅の途中で立海や氷帝を始めとするレギュラーに出会ったが、各々それなりにこの世界に馴染んでいる様なのでそのまま放置。
旅の最中、着実に実力を着けて行った2人は、ついにジョウト地方チャンピオンとなり、カントー地方のジムを制覇した。
そして、2人が最後に向かったのは、真田と柳に聞いた『原点にして頂点』が居るというシロガネ山……

「前回までのあらすじって、望弥の思い付きだからそもそもねぇよ」
「それ言っちゃかん!
あ、あと訂正。『2人は』ってあるけど、ジムもチャンピオンも全部俺が制覇したから。」
「だって俺別に興味ないし?カスミポジションで可愛い奴ら愛でられればそれで良いし?」
「……………」
「つー訳でファイト♪」
「………おん」



「シロガネ山が吹雪とか聞いてねぇー!!」
「…まぁ、カントーでは天候が悪いことで有名だったらしいから、ジョウトから来た俺らが知らんのは当たり前か…」
「ざーみ゙ーい゙ー!」
「ビーノ゙ーぉ゙ー!」
「(良いなー、抱きしめられる炎タイプ…)」

いくら着込んでいるとはいえ、猛吹雪の山の中。さすがに寒い。
潤斗はマフラーに顔を埋め、邑はヒノアラシを抱きしめながら雪山を進んで行く…
頂点を目指す。それが元の世界へ戻る為かはわからないが、2人は進む。
そしてたどり着いた。頂点の元へ…

「やぁ、よく来たね。」
「お前…」
「そうか、頂点っておまんの事だったんか…
幸村…」

シロガネ山の頂上に居た幸村。
肩に乗っているピカチュウも戦う気がある様で、パチパチと電気を放っている。
が、その前に…

「お前半袖で寒くね?」
「うん、寒い^^」

一応気遣っておく。

「幸村、俺が着てたので良ければ、コートいるか?」
「うん。むしろ仁王のが欲しい。」

コートを渡せば、ギュッと抱きしめ「仁王の匂い…」と呟いていた。
その場に居た全員が若干引いた。

「さぁ、それじゃあ戦おうか!」
「うん、コートを肩にかけるだけじゃ意味ねぇよ。」
「いや、まぁ… アレが幸村のスタイルなんじゃなか?」
「ほら、どっちが戦うんだい?」
「行ってこい潤斗」
「おん」

お互いに距離をとり、モンスターボールを構える。
そして、目的は分からないが、最初で最後の頂点を目指す戦いが始まった…

「行っておいで、フシギバナ」
「行けっ!ラグラージ!」

出した瞬間、お互いのポケモンが寒そうにしていたのは見なかったことにする。

「へぇ、俺のフシギバナに対して地面・水タイプ…
余裕のつもりかい?」
「俺のラグラージをナメたらいかんぜよ。
ラグラージ、吹雪!」
「Σこの猛吹雪の中?!」

フシギバナは吹雪では一撃で倒せなかったが、そのまま凍りつき、その後の地震でKO。

「俺のフシギバナを無傷で倒した奴なんて始めてだよ。
君ならあのラグラージ倒せるかな?行け、カビゴン」
「カビー」
「(あ、あのカビゴンのお腹良いな…)」
「あそこで寝たいとか考えたら死ぬぞ」
「……おん、わかっとる。
ラグラージ、アームハンマー!」

ラグラージのアームハンマーは強力だったが、防御と体力が多いカビゴンにはあまり効かず、アームハンマーで素早さが下がったラグラージは倒された。

「くっ… 行け、ハピナス!」

両者一歩も引かないバトルは長く続き、ついにお互い最後の一匹、カイリューとピカチュウの戦いとなった…

「カイリュー、きっとコレが最後じゃ…」
「リュー…」
「ははっ、そんな心配せんな。
カイリュー、メテオドライブ!」
「Σは?!ちょっ、お前その技…!」

驚いたのは邑だけでは無かった。
幸村もそんな技があったかと驚き半分楽しみ半分で何時でもピカチュウに指示できる様に構えている。

「カイ、リューッ!!」

カイリューが体に力を入れて何かを打ち上げた。
そう、それは…

「メテオドライブとか言ってもただの流星群じゃねぇかよ!!」

ドラゴンタイプ最強の技、流星群。

「……あ、ホントだ…
ピカチュウ、君なら全部避けられるよね?^^」
「ピ、ピッカ!」

幸村の微笑みに全力で答えたピカチュウは息切れはしたものの、ダメージ自体は無い。

「仁王、君とのバトルは楽しかったけど、コレでおしまいだ。
ピカチュウ、ボルテッカー!」
「ピッカチュウッ!!」

ピカチュウが電気を纏いカイリュー目掛けて物凄い速さで向かって来る。

「リュッ、リュー?!」
「大丈夫、お前さんなら出来る。」

慌てるカイリューを宥める潤斗にも焦りが見える。
勝った!幸村がそう思った時だった…

「大丈夫、じゃよ…?」

潤斗が笑ったのは。

「カイリュー、地震!!」
「! リュ、リュ、リュー!」
「!!」
「Σピッ、ピカァ?!」

ボルテッカーでカイリューに飛び込む直前、地震を繰り出した。
ジャンプする直前だった為もあって、とっさに動けずにダイレクトに効果抜群を喰らったピカチュウは倒れた。

「……………、
まさか、ここで仁王のペテンに掛かるなんてね…」
「プリッ」
「ピカチュ…」
「大丈夫、君はよく戦ってくれたよ。」

幸村がピカチュウを撫でていると、カイリューも撫でてと言わんばかりに潤斗に擦り寄る。

「そうじゃな。
最後のはお前さんが頑張ってくれたからのぅ」
「リュ〜」

お互い和んだ所で、邑が声を掛ける。

「さ、バトルは終わったんだ、下山するぞ。
幸村もポケモンを回復しに行かなきゃいけねぇし、一緒に行くだろ?」
「そうだね。
あ、ちょっと待って、荷物とか取って来るから。」

小屋に戻った幸村を待ち、邑のエーフィーでトキワシティまでテレポートする。

「へぇ、なかなか便利だね。」
「まぁ、行った所しか行けねぇし、普段はカイリューの空を飛ぶ使ってるからあんまり使わねぇんだけどな。
つーかあ゙ー、耳がボーンってするー」
「ヒノ゙ー」
「急に気圧が変わったからの。
そういう時は空気を飲み込めば良か。」
「おー」
「ヒノー」
「(ヒノアラシと息ピッタリだ…)」

ひとまずポケモンセンターへ向かい、全員のポケモンを回復。
ついでに部屋も借り、ゆっくりしていると幸村が散歩に行こうと誘ってきた。
ちょうど回復も終わったポケモン達を連れポケモンセンターを出れば、そこに居たのは立海レギュラー。

「まさか本当に精市を倒すとはな…」
「私達では手も足も出ませんでしたからね。」

全員が称えてくれた事で、ようやく実感を持てた2人。
そんな時、幸村が言った単語に邑は驚いた。

「本当に驚いたよ…
でも、これで俺もポケモンマスターを辞めれるよ」
「「……は?」」
「おい幸村、ポケモンマスターってなんだよ
え、ちょっ、お前ポケモンマスターだったの?!」

邑が聞けば、全員当たり前じゃないかという目で見て来る。

「『原点にして頂点』=ポケモンマスター じゃろ?」
「Σはぁ?!」
「Σヒノ?!」

マジでか…

「という訳で仁王… いや、ポケモンマスター、俺の称号を君に受け継ぐよ。」
「嫌だって言ったらダメか?」

潤斗が断っていた事にも驚いていた。


こうして、頂点へと上り詰めた2人は風の向くままに旅を続け、そこで様々な新たなる出会いをするのであった……

「ところで、元の世界に帰るって目的なんだけどさー」
「俺、ラグラージと離れるの嫌じゃ」
「あ、マジで?俺もヒノアラシと離れるの嫌なんだよなー
ところで、後ろで今回一番頑張ったカイリューがショック受けてんだけど…」
「Σ あ、いや、全員!勿論全員とも離れたくなかよ?!」

元の世界に戻る?そんな目的捨てたねwww

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