10分おきに空メールしてくる


「なぁなぁ白石君」


「はいはい何でしょう名前君」



後ろからツンツンと背中を突かれ、クルッと振り返れば真剣な顔でこっちを見るMyエンジェルこと我が校のアイドル名前君。

(ま、本当は俳優なんだけど。)


皆に愛されてる格好良くて優しくて格好良い子なのに、恋愛が全然わかんなくて勘違い体質なちょっと残念な所があるんやけど、やっぱり格好良くて優しくて笑顔がつい見惚れちゃうぐらいの



「聞いてんのか白石」



あーアカン、暴走してまう所やった…


未来の夫の前でこんな姿を



「未来の夫とか考えんな

つーか声に出てんだよ(ニッコリ)」



笑顔で殴られた腹を摩りながら名前君を見る。


あー… 声に出してたんか… どうりで周りの奴ら(特に謙也)の視線が痛い訳だ



「なぁなぁ白石君、君テニス部部長だったよね?」


「? おお」


「で、財前光君はテニス部レギュラーだったよね?」


「お、おお…?」



財前がどうかしたんやろか…?


俺が頷くと、名前君は「そうかー」ニッコリ笑って立ち上がった後、表情が一変。

まるで鬼の様な形相に変わり…



テメェの後輩指導どうなってんだぁぁあああ!!!



胸倉を捕まれました。


うわっ、ちょっ、足浮く!今爪先立ちになっとる!!

怖い!こんな名前君初めて見た!何したんや財前!!



「一週間ぐらい前から放課だけじゃなくて、授業中にも10分おきに空メール送ってくるんだよ!!お前ん所の後輩が!!10分だぞ10分!!

おかげで帰る頃には携帯充電切れてるし、裕也さんからの仕事の連絡とかメルマガも消えて!!!

しかもそれが夜遅くまで続てるんだぞ?!朝方の俺への嫌がらせか!!?」



「財ぜぇぇぇええん!!」と叫びながら走っていく謙也を横目に、もう涙目になりかけてる名前君に揺すられながら、俺は思った。



「(名前君可愛い…///)」



……まぁ、それも思ったけども…



「(何やってん、財前…)」



とりあえず、今日のオサムちゃんのお笑い講座は休も。


そんで、いつも講座に出ない財前と2人で今日の皆の分のおやつ作ろ。

ゆっくり話でもしながら







(名前先輩鈍いし、あれくらいやないと気にかけてくれんかなって)
(めちゃくちゃ気にかけとったで?鬼の形相で

(…だ、そうやで?)
(………謙也、帰りちょっと付き合ってくんね?)


その後、彼は色々と諦めたのか、謙也を連れて携帯ショップへ向かいました。








この主人公君は個人的に気に入ってるので、もしかしたら同主人公シリーズを作るかもしれない。


補則としては、主人公君は俳優をやってます。(アイドルグループか悩んだけど)

色んなドラマや舞台に出た事あるけど、まだまだ『知ってる人は知っている』程度の知名度。



お題提供:風雅


[*prev] [next#]
[mokuji]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -