木陰で休む君に
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やぁ仁王。
せっかく俺のクラスと合同体育なのにサボりかい?
まぁいくら体育祭前とはいえ2時間は多いよね。
それにしてもよくこんな所見付けたね、ここならグラウンド見えるし涼しいし。
「…何か話が有るんか?」
「どうしてだい?」
「ここ一週間ぐらい様子が可笑しいし、いつもだったらすぐに俺の隣に座ってるナリ」
「……さすがだね」
そんな事気付きもしなかった。
まぁいつもなら少しでも仁王の傍に居たいと思うしね。
…これだから仁王の傍から離れられない
それじゃあまぁ本題に入ろうか。あ、隣座るよ
ここ一週間…いや、十日ぐらいかな?
俺さ、たまたま通った特別棟の西階段の踊り場の鏡で男の子と女の子を見たんだ。
その時は俺一人だったし、鏡に映った後ろの風景もうちの学校じゃなかった。
「それって、異世界に繋がる鏡?」
「やっぱりうちの七不思議も知ってたか。
俺、最近赤也から聞いて初めて知ったんだよ」
それが原因かは分からないけど、その日の夜から夢を見るんだ。
その二人…テニスが大好きな一つ年上の男の子と幼馴染みの女の子の夢。
最初はその子の日常みたいなものを見ていたんだけど、4日ぐらい過ぎた辺りからずっと同じ夢なんだ。
「どんな…?」
「その子が自殺する夢。」
キョトンとした顔も可愛いよ、仁王。
でもそりゃあ驚くよね、俺も自分が大丈夫なのか心配になったし(笑)
ああ、大丈夫。ストレスとかはテニスすれば発散されるから、思い詰める程溜まってはいないよ。
「ならええけど…
でも、そういうのは参謀のがええんじゃなか?」
「確かにそうなんだけど、仁王って聞き上手だから長い話する時は仁王のが良いんだよ。」
「そういうもんか?」
「そういうもんだよ」
まぁ、今回はそれだけじゃないけどね。
あ、聞きたいかい?
と言うか、その話をするために来たんだけどね。
それで、何で仁王に相談しようと思ったかって言うと、似てるんだ…
仁王と邑に
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