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まあ、今はただ何か悩み事があるだけなのかもしれない。と放っておいた。
だけど良はプレーしている最中においては特に何も変わりは無かった。
俺とさえ関わらなければ良はいつも通りで、普段と同じく元気で笑っていた。
それなのに、俺と一緒にいるときだけは笑わない。
すっげーつまらなさそうな顔してて、思わず俺が普段しない"気を遣う"という行為をするまで。
…けど、つまらない、という感情よりも何だかこう…


「良、お前何か不安なのか?」

「へ、えぇっ!?スミマセンッ」


…多分、図星だろう。
"不安"という言葉を口にした途端に良はとんでもなく取り乱した。
けど一体何が良をここまで不安にさせているのだろうか。
確か、俺が良の様子の変化に気が付いたのが二週間くらい前だったか?
でも二週間くらい前に俺は良に不安だと思わせるようなことはした記憶がない。
俺は何をしたんだ…


「あ、あの青峰くん」

「あん?」

「コレ…」

「…っ!!」


ある日僕は見てしまった。
あの、あの僕の青峰さんが女の子に手紙を渡される場面を…
いや、本当は遭遇してしまった。
放課後の部活に今日こそは青峰を引っ張り出してこい!って若松先輩に言われてしまったので今回は引くわけにもいかない。
だけど帰りのSHLが終わるや否や青峰さんはどこかに行ってしまって。
校舎を探し回って、たどり着いたのは屋上。
重たい扉を開けると男女が何やら話していて…
男の人の方は何か見たことあるな、って思っていたら
青峰さんだった。
女の子の方は怯えながら青峰さんに一枚の手紙を両手で差し出していた。


「だから、僕は…っ!」


その瞬間を目撃してしまった僕は目に涙を溢れさせながら青峰さんを置いて一目散に体育館に駆け出した。
もう青峰さんなんて知らないです…!
ああやって、女好きな青峰さんはホイホイ誰かに告白されて。
目から止まらない涙をそのまま流しっぱなしにして目的の体育館に着き、既にストレッチをはじめていた今吉先輩と若松先輩と目があったときは焦って涙をふいて頭を一生懸命に下げて謝った。


「スミマセンッ!青峰さんを連れてきませんでした、本当にスミマセンッスミマセンッ…!」

「いやいや、それより桜井泣いてない?」

「のう、桜井。青峰に何か言われたんか?」

「あ、青峰さんは関係ないです!本当にスミマセンッ!スミマセンスミマセンでした!」


なるべく泣いていたことに触れられたく無かったので謝ることを終えると即座に更衣室目指して走った。
今日は、青峰さんに会いたくないな…
不覚にも嫉妬してしまった僕が情けない。いつになくそう思いました。




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